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韓国大統領「戒厳令」暴走には経済問題があった! 騒動の背後でうごめく経済分野の「韓国病」とは

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韓国銀行の統計によれば、2023年のソウルにおける住宅価格所得比は25倍である。中位所得世帯がソウル市内で中位価格の住宅を購入するためには、25年間無収入で生活する必要がある。

同年、ソウルの20~39歳の若者が主に居住する新築住宅の月平均家賃は101万ウォン(約10万円)で、可処分所得の3分の1以上を占めている。

こうした社会問題により、文在寅政権は退任前に約50%の支持率を維持したが、保守派がわずか5年で政権を奪還。変革への期待を背負って登場した尹錫悦も、韓国国民を失望させている。

保守政権への失望

2024年12月4日に戒厳令を発表する前の世論調査では、尹錫悦政権に対する不満の最大の原因として、第1に妻の金建希(キム・ゴンヒ)をめぐる博士論文の捏造疑惑などの「金建希スキャンダル」、次に経済問題が挙げられていた。

韓国の放送局MBCのベテラン政治記者である李奇柱(イ・ギジュ)は「尹錫悦が2022年の大統領選挙で台頭した理由は、前政権が物価や住宅価格を高騰させ、不動産所有者に過度な重税を課したことによる国民の不満だった。しかし、尹政権も生活費を下げるという公約を完全に実現できず、むしろ国民生活をさらに苦しめている」と指摘する。

尹錫悦政権の苦境は、大財閥の不調とも無関係ではない。財閥の経営成績が振るわず、政府への納税額が減少した結果、財政収入が縮小し、政策実行で制約を受けている。

例えば2024年の場合、韓国企画財政部は税収が2023年より33兆ウォン(約3.3兆円)減少すると予測した。それでも政府はインフレ対応のために育児手当や基礎年金を増額し、支出が収入を92兆ウォン(約9.2兆円)上回る赤字予算を編成している。

最終的には「外為平衡基金」(外為市場の安定性を確保するための準備金)を使って穴埋めをした。

尹政権が国会で少数与党という劣勢に直面していない場合でも、大統領選中に掲げた250万戸の住宅建設や質の高い雇用創出といった公約の実現には、大幅な借金が必要となるだろう。

「財閥が低迷すれば国に提供できる資源が減り、国が貧しくなって若者の失業問題を解決することがますます難しくなる」と林侑毅は見ている。

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