韓国大統領「戒厳令」暴走には経済問題があった! 騒動の背後でうごめく経済分野の「韓国病」とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ところが最低賃金が毎年上昇しているにもかかわらず、予想していたほど生活の質は向上しなかったのだ。むしろインフレ、小規模事業者の倒産、住宅価格の高騰といった副作用を引き起こした。

2013~2019年に台湾から来て、高麗大学で修士・博士課程を修了した政治大学韓国語学科の林侑毅助教はこう語る。韓国に初めて来た時、一般的な外食のスープご飯は6000~7000ウォン(約600~700円)程度だったが、今では1~2万ウォン(約1000~2000円)が必要だという。

「最低賃金の大幅な引き上げによる人件費の増加は、中小企業や小規模事業者にとって非常に大きな負担だ。」

中小企業の倒産ラッシュと住宅価格の高騰

前出の申世敦教授は、「文在寅の経済政策は財閥の制裁に偏重し、中小企業を効果的に支援できなかった。その結果、逆効果を招いた」と分析する。

公式統計によると、2023年には史上最多の1657社の中小企業が破産を申請し、2021年比で7割以上増加。今年の前7カ月間でも1153件の破産申請があり、2023年同期比でさらに32.5%増加している。

さらに手の届かない住宅価格は、韓国の若者にとって心の中のもう一つの刺となっている。

韓国の住宅価格が高騰した原因は、文在寅政権が都市部で複数の住宅を所有する者に囤房税(不動産投機税)を課したことにある。しかし、家主は税金を借主に転嫁するようになり、家賃が上昇したのだ。

家賃の上昇で、多くの若者が「賃貸より購入のほうが得」と考えるようになり、住宅価格がさらに高騰するという悪循環を生んだ。文在寅はこの状況を受けて公に謝罪したのだった。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事