韓国大統領「戒厳令」暴走には経済問題があった! 騒動の背後でうごめく経済分野の「韓国病」とは

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例えば、内政では、保守派は韓国企業が半導体など高度技術産業で競争力を維持するには、週52時間労働制の緩和が必要だと考えている。一方、国会で多数議席を占めるリベラル派は労働時間の緩和に断固反対している。

「これは、韓国政府が財閥と中小企業の利益関係を効果的に調整するのが困難であることを示している」と前出の申世敦教授は指摘する。

国際関係では、保守派は一貫して北朝鮮に厳しい態度を取り、尹錫悦政権は日米韓同盟を強化。台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、武力による現状変更に断固反対してきた。そのため尹政権は中国の反発を招いてきた。

進む社会の二極化

一方、最大野党「共に民主党」代表である李在明(イ・ジェミョン)は、「なぜ中国を刺激するのか」「台湾問題と韓国は何の関係があるのか」と尹政権を批判している。

異なる陣営間の激しい対立に感情が揺さぶられたのか、経済の専門家である姜成鎮氏はインタビューの終わり際にこう語った。「経済以外に、韓国人はむしろ社会の二極化問題をもっと心配しているのです」

しかし、台湾の学者から見ると、現在の韓国の苦境は反面教師として学ぶ価値がある。「韓国が直面しているのは先進民主主義国家が抱える課題であり、台湾と非常に多くの共通点を有している」と、台湾・国立政治大学外交学科の兼任特任教授である劉徳海は言う。

彼は、韓国の財閥のパフォーマンスが低下している主な原因を、かつての得意分野であったディスプレーや携帯電話、家電、造船が中国に完全に追い越されたことにあると分析している。

さらに、依然として優位を保つ半導体製造も、中国が成熟プロセスの自給率を向上させるにつれ、サムスンの中国市場シェアは今後大幅に縮小するだろうと指摘した。

台湾にはTSMCがあり、AIブームに乗っているものの、産業全体のバージョンアップを検討し、特定産業や少数企業への経済依存の弊害を防ぐ必要がある。

また、ある学者はこう指摘した。「韓国が『中国病』にかかっていると言うならば、台湾の対中輸出依存度は30%に達している。その症状はより深刻だ」と。

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