2025年「オールドメディアの衰退」は現実となるか 転換期の1年、起こりうることを未来予測しよう
斎藤知事を告発した元幹部に関する詳しい報道がされないのは、圧力や忖度によるものではなく、死者や遺族に対する配慮からだ。
三菱UFJ銀行の行員による10数億円の窃盗事件に関して、「テレビであまり報道されないのはおかしい」「少額の窃盗事件でも実名報道されるのに……」という声が出ており、SNSでは、それを「大企業の圧力によるもの」として批判する声も目立っていた。
しかし、テレビや新聞が実名を報道しないのは、刑事事件になっていないからで、企業の圧力やメディアの忖度があるからではない。
メディア報道に対する誤解から、SNSでは過度なメディア批判が巻き起こり、事実と異なる情報が拡散してしまうことも多い。そもそも、世の中には事実関係が不明なこと、わかっていても報道できないことは多々ある。その欠損部分をSNSが埋めているところはあるのだが、臆測やフェイク情報も多い。
ファクトチェック、すなわち真偽を確認・検証する役割は、今後もオールドメディアの重要な役割であり、存在意義でもある。問題なのは、そうしたメディアが収益を上げることが難しくなっている点にある。
オールドメディアは規制に縛られている
自分で取材を行わず、SNSやインターネット、他のメディアの情報をそのまま取り上げて記事にする「こたつ記事」が氾濫している。昨年は、毎日新聞が芸能人の偽アカウントの情報に基づいたこたつ記事を配信して、フェイクニュースを拡散したことが問題になった。
こたつ記事の存在自体は必ずしも全否定すべきものではないが、規制をかけることは必要だ。フェイクニュースを流したり、他人の権利を侵害したりしたメディアには、重い罰則を課するといった措置も必要になるだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら