2012年CES、日米欧企業から、中国・韓国などアジア企業へ主役が移る

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 また、グラフィック向けチップのNVIDEAが台湾のASUSTeK(アスーステック)と共同開発で249ドルのタブレットを開発中と発表した。NVIDIAのジェン・スン・ファンCEOとASUSテックのジェリー・シェンCEOは一緒に壇上に現れ、最新チップを搭載した7インチの大きさのタブレットを「249ドルで出す」と述べた。このタブレットは、アイスクリームサンドイッチことグーグルのアンドロイド4.0を搭載し、3Dビデオやゲームをプレーできる優れものだ。

今年のCESで変化が目立った技術といえば、インターフェースにかかわる技術だ。エリクソンが人の体を通してスマホからコンピュータ画面にデータを移動させる技術を発表、トビ・テクノロジーは人の目の動きを追ってパソコンを動かす技術を発表した。また、インテルも手の動きでパソコンが動く技術を紹介、マイクロソフトもXboxに声で命令する技術を展示するなど、インターフェースが、従来のキーボードとマウスから格段に進化してきている。目や手の動きから機械を動かせる技術の実現は、来年以降CESでさらに具体的な製品が見られるだろう。

自動車のIT化の試みも11年よりさらに前進していた。メルセデス・ベンツのブースでは、まだ研究段階だが、IT搭載の車内を体験できた。全体に白でまとめられた運転席に座り、ダッシュボードに手をかざすと、通り過ぎる建築物の情報やSNSからの情報を得ることができる。たとえばサンフランシスコのフェリー・タワーの高さや建築年度など。「ツアーガイドはもう、必要ないね」とは会場参加者の声。

パソコンからタブレット、スマートフォンと端末が増えるにつれ、興味深い製品が出ていたが、「これから世界の家電業界の課題は、家電製品の規格統一化」と、中堅通信機器メーカー、アクションテックのシニア・ディレクター、レズリー・カーチマン氏は言う。同じLGのテレビでも居間のテレビと寝室のテレビが同じように動かせないのが現状。今までパソコンだけを持っていた消費者が、電子書籍リーダー、ゲーム専用機、スマートフォン、ネット対応のデジカメ、タブレット端末など多様な端末を持つにつれ、それぞれを連携して心地よく使えるようにする規格の統一は重要だ。これからの世界の家電業界は規格統一へ向け話し合う必要性があり、多くの企業が一斉に集まるCESは、その討論の場として最適だ。これからのCESが担う役割に期待したい。
(Ayako Jacobsson =東洋経済オンライン)

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