2012年CES、日米欧企業から、中国・韓国などアジア企業へ主役が移る

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毎年恒例のCESこと、コンシューマー・エレクトロニクス・ショーがラスベガスで1月10日から13日に開催された。今年は過去最高の15万3000人が参加。そのうち、海外からの参加者は3万4000人以上を数えた。

巷の話題は、マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOが来年のCESから撤退すると発表したことだった。マイクロソフトのこの動きから、しだいにCESが縮小していくのではないかと懸念するアナリストもいた。
 
 だが、CESを見るかぎり、撤退する大手の北米企業が出てくる一方、米国や世界市場を狙う企業の参加は増えていくのではないかと感じた。アップルやマイクロソフトの参加しない展示場のフロアを来年から埋めていくのは、韓国、そして中国企業ではないだろうか。
 
 「マイクロソフトが出なくても、マーケティングを強化している中国企業が続々とCESに出てくるから、問題はないはず」とは、シリコンバレー企業の取締役。カナダの投資家マイク・ボルカー氏は「2ケタ台の驚異的な成長をする中国企業は、CESでの存在感で近いうちに韓国企業を抜くだろう」と予測する。
 
 CESを主催する全米家電協会(CEA)のゲリー・シャピロCEOは、マイクロソフトの撤退に少し渋い顔を見せたものの、これから違う形での協力関係もある、と同社を見送った。
 
 「今年、一般消費者向けのハイテク製品市場は、1兆ドルを超す」と、強気のシャピロCEO。中国を含む新興勢力の参加で、マイクロソフト撤退の損失を埋めていく算段なのだろう。

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