2012年CES、日米欧企業から、中国・韓国などアジア企業へ主役が移る
CES会場で多くの人を集めていたのはサムスンやLGなど韓国勢のブースだ。かつてソニーの“物まね”といわれていたサムスンだが、2006年にはCESで“ボルドーワイン”をイメージしたハイエンド液晶テレビを出展し、薄型テレビで有力ブランドになった。今年、サムスンは55型という超大型の有機EL(OLED)テレビを出展、最先端の技術による鮮明な画像で注目を集めていた。LGは冷蔵庫や洗濯機をスマートフォンから動かせる製品を出展していた。
韓国勢もさることながら、見逃せないのは中国勢の勢い。従来、多くの中国企業は北のラスベガス・ヒルトン側の小さなブースで展示していた。それらのブースも社名が赤、黄、黒色などで表示されていた。だが、今年は中国企業のブースが南側の大きなブースに移り、デザインも洗練された企業が多かった。「世界市場で大きく成長するにつれ、中国企業はマーケテイングがうまくなってきたようだ」とは、メンローパークのベンチャー・キャピタリスト。
一方、地元の北米企業は、コスト削減に厳しく、費用のかかるCESのフロアのブースの設置から、ラスベガスの有名ホテルに会場を借り、ジャーナリストや顧客を招くなどの多様な対応をしていた。テキサスのコンピュータ会社に部品を納める某企業は、CESに全米から顧客が集まるため、ラスベガスのホテルを借り、ワインや食事で招待客をもてなしていた。グーグルは招待客だけを招き入れるブースを南のホールに設置。表立って参加していないアップルでさえ、覆面で数百人の社員をCESに送り込んでいた。
筆者は参加しなかったものの、中国のレノボは、ベネチアンなどラスベガスのホテルで多くのイベントを開催、自社製品の販促に努めていた。レノボはパソコンだけでなく、インテルのチップを使ったスマートフォンを、今年上半期に中国で発売してから、米国市場に売り出す。