2位の東京工業大学(現東京科学大学)と3位の一橋大学は、豊田工業大が台頭する以前、毎年のようにトップの座を争っていた有名企業に強い大学。東京工業大の就職者が最も多い企業は日立製作所(36人)で、野村総合研究所(29人)、アクセンチュア(24人)、ソニーセミコンダクタソリューションズと日産自動車(各22人)などが続く。
一橋大は多い順に、三井住友銀行(19人)、アクセンチュア(15人)、三井住友信託銀行(13人)、三菱UFJ銀行とEYストラテジー・アンド・コンサルティング(各11人)などで、総就職者の半数以上が有名企業に就職している。
4位の名古屋工業大学の実就職率は、名古屋大学(12位)を11.5ポイント上回る。名古屋大より難易度が低く入りやすいが、有名企業に就職できる割合は高い。同大の就職者が多い企業は、デンソー(61人)、トヨタ自動車(24人)、アイシン(22人)など。
同様の傾向は、九州大学(22位)の実就職率を7.4ポイント上回る8位の九州工業大学にも当てはまる。同大の就職者が多い企業は、パナソニックグループ(26人)、京セラ(16人)、東京エレクトロン(12人)など。
トップ10のうち6校が工科系大学
ランキング上位には工科系大学が多く、これまでの4大学に5位の東京理科大学と7位の電気通信大学を加えると、トップ10のうち6大学を占める。
この中で唯一の私立大である東京理科大は、卒業生4373人と工科系では規模が大きな大学ながら実就職率は高い。指定科目の単位を取得できないと進級が叶わない「関門制度」を設けるなど、しっかりと学生を育てる姿勢が、就職状況に表れている。就職者が多い企業は、NTTデータ(51人)や日立製作所(36人)、ソニーセミコンダクタソリューションズ(30人)など。
理系人材の不足が深刻化する中、情報関連業種を中心に人材の奪い合いになっている。工科系大学の有名企業の就職状況はそうした状況を如実に表していると言え、今後も工科系大学優位が続きそうだ。
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