レクサス「GX/LBX/LM」ニュージーランド旅の訳 走りより体験に重きを置いたブランドの姿勢

✎ 1〜 ✎ 96 ✎ 97 ✎ 98 ✎ 99
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

最近聞いた話では、今のレクサスの技術者たちが“初代LS400は、なんであんなによくできているんだろう”と、一所懸命研究しているんだとか。ここも面白い。クルマづくりには、書面だけでは技術継承が難しい部分があるのだろう。

移動ではなく、経験を伝える旅

ニュージーランドの大自然とレクサスLBX
ニュージーランドの大自然とレクサスLBX(写真:Lexux International)

話を今回のクイーンズタウンに戻すと、レクサスでは、世界各地から参加した自動車ジャーナリストやインフルエンサーを集めて、先にも触れた、ヘリコプターで山の上を飛んだり、ボートに乗ったり、メリノヒツジの牧場(放牧)を尋ねたりという、楽しみを提供してくれた。

もちろん、クルマがないとアクセスできない場所もあるので、その意味ではドライブと関連するレジャーであるけれど、直接は無関係。でも、あとになると、自分が走った場所の記憶として、冠雪した山の風景や氷河湖やヒツジが、クルマとともにいい思い出として浮かんでくる。

そういえば、1950年代から1960年代にかけて、フェラーリは巨大なアメリカ市場に足場を築くのだが、そのときのエピソードを思い出した。当時、マラネロ(フェラーリの本拠地があるイタリアの町)のフェラーリには、強いドルを持ったアメリカのジャーナリストが押し寄せていたそうだ。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

彼らはそこで「ロマンチックなカーシーンと伝統的な町並み、美しい風景とエレガントな女性、山盛りのご馳走を手に入れることができた」と、英国のジャーナリスト、ブロック・イェイツは伝記『エンツォ・フェラーリ』(桜井淑敏訳)で書いている。フェラーリが人気を呼ぶようになったのは、一緒にイタリアを買うようなものだったからだとしている。

クルマの魅力とはそういうものなのだろう。レクサスのGX、LBX、LBX Morizo RR、それにLMが提供してくれたのは、A地点からB地点への移動中の体験だけでなく、その間になにができるかということで、まさにそれこそ、旅。レクサスの「経験」は、中身が濃かったのだ。

小川 フミオ モータージャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事