CG映画になった!「PUI PUI モルカー」制作の裏話 制作陣に聞く、作品への思いや今後の広がり

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――その範疇を超えて、大勢の観客に受け入れられることとなりました。そんな作品が今回はCGアニメとなり、映画もヒットしています。

まんきゅう:そこに関してはホッとしています。見里さんがつくられた人気作品ですので、やはり作品を預かる以上、もともと好きだった方にも届けたいなと思っていたので。ファンの方にも受け入れられているようで、とにかくホッとしています。

子どもでも大人でも楽しめる作品に

――まわりでも、疲れた大人がモルカーを見て癒やされていたという話を聞きました。もともとのターゲット層はどのあたりを考えていたのでしょうか?

見里:一応子ども向けコンテンツの想定ではいたのですが、決して子どもだけに向けた内容にはしないようにとは思っていました。子どもの頃はキャラクターの動きを楽しんでいただきつつ、大人になったら、そこに込められたメッセージをさらに理解するというような。2度楽しめるような作品を目指していました。

まんきゅう:そこは見里さんと一緒で。子どもにも向けた作品ではあるんですが、子どもだましになってはよくない。子ども向けだからこそ真剣に向き合うべきだし、伝えるべきことはちゃんと伝えたほうがいい。そのバランスが大事だと思っています。

自分が小さいときにNHKの「みんなのうた」で観た(大貫妙子の)「メトロポリタン美術館」なども、当時は見るのが怖かったんですが、大人になった今でもすごく強烈に覚えていますし、そういったメッセージ性の強いものは真剣に向き合わないと子どもたちにも絶対に伝わらないと思うんです。

今回の「モルカー」に関しても見里さんがそういうところを後押ししてくださったので。そこは目線を一緒にして向き合うことができました。

PUI PUI モルカー ザ・ムービー
自動車がもしモルモットだったらという発想から生まれた「モルカー」ということで、「動物らしさを忘れないように」ということが大切にされている©見里朝希/PUI PUI モルカー製作委員会

――まんきゅう監督はこれまで「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」や「アイドルマスター シャイニーカラーズ」など幅広いジャンルの作品を手がけてきたわけですが、作品に向き合うにあたって、心がけていることは?

まんきゅう:自分の場合は、あまり自分の色を出さないというか。その作品目線で寄り添うということが大事かなと思っています。もちろん得意なジャンルや方向性は誰にでもあるわけですし、作品に自分の色を載せる、というアプローチもあります。実際そのほうが全然楽なんですが、そうするとその作品のよさが出なかったり、本質が突けなかったりすることも多く……。

なので今まで自分がディレクションしてきた作品は、確かにジャンルは幅広いんですが、自分が得意なものだけをやりたいとは思っていなくて。ご縁があったものに1つひとつ向き合い一生懸命やってきた結果ですね。もちろん、どうしても無理なものは断ることもありますが。

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