CG映画になった!「PUI PUI モルカー」制作の裏話 制作陣に聞く、作品への思いや今後の広がり

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そういう苦い思い出があったので、当分は1人で作品づくりをしたほうが精神的には楽かなと思っていたんですが、ただどうしても1人では終わらないところもあり、卒業制作時はほかの方に美術のお手伝いをお願いしたこともありました。

「PUI PUI モルカー」に関してはもともとは中編アニメーションとしてつくっていたものだったんですが、それをテレビシリーズとしてつくることになり。尺が増えた分、作業が終わらないということで、大学院時代の友だちをはじめとしたコマ撮り経験のあるスタッフの方にお願いして、制作をしたんです。

その後、「モルカー」以外でも監督としてお仕事をさせていただくようになりました。そこでの経験も経て、1人で時間かけてつくるのもよさがあるのですが、大人数で作って沢山の作品を発表するということも大事なんだなということにようやく気づきはじめました。

同時に、だからこそ監督はコミュニケーションが求められるんだなとも思いましたし、それによって作品がすごく大きなものになっていくことができる。そこにいきつくまでは、やはり人に伝えることの難しさも感じていました。まんきゅうさんもそう思われることはあるんじゃないですか?

かわいいと楽しいに支えられた

まんきゅう:めちゃめちゃありますね。気にしすぎるとやっていけないので、そこはあまり深く考えないようにしていますけど。

ただ作品をつくるときには、たくさんの人が同じ方向を向いて、そこにエネルギーを注いでいくところがアニメづくりの楽しさだと思っていて。そういうことがやっぱり好きなんですね。だから大概のつらいことは、楽しさで乗り越えられると思っています。

しかも今回の原作者が、見里さんという映像作家だったということも大きかったですね。今までは漫画家の方と組むことが多かったのですが、映像作家の方と組むのははじめてだったので。映像に対してこだわる部分とか、向き合い方がまったく違うなと思いましたし、コミュニケーションをしていても楽しかったです。

見里さんが映像作家として「モルカー」にどういうアプローチをするのか、こういう演出が好きなんだなといった学びも多かったですし。「モルカー」の現場はものすごく穏やかで優しい方が多かったので、もちろん制作はめちゃくちゃ大変だったんですけど、それを超えるぐらいの楽しさがありました。かわいいと楽しいに支えられていたなという気がしています。

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