ウーバー配達員が目撃「悪質な盗難」の衝撃実態 配達員を装って盗んでいる人がいる…
僕はこれまで計6000回以上の配達をこなしてきたが、1000回に1回あるかないかの頻度で、お客様に届けるはずの商品を持ち帰ったことがある(廃棄はもったいないので、自宅で美味しく頂戴した)。
配達の報酬はそのまま受け取っている。つまりお金も、食事も、すべて僕一人が手に入れたことになる。
なお商品を注文したお客様には食事代と配送料、どちらも通常通り料金が発生している。一部のお客様の中には「配達員に持ち逃げされた」と怒り狂ってしまう方もいるようだ(心中はお察しする)。
12分タイマーの実際のやり取り
実際に僕が商品を持ち帰ることになった、具体的なやり取りを紹介しよう。
その日は雨だった。飲食店で商品をPICKした僕は、ママチャリに乗って、とある一軒家のお宅を訪問した。インターホンを押したが、反応はない。電話もかけたが、こちらも無反応。このタイミングで僕はお客様に「到着しました」「ご対応お願いします」とメッセージを送った。そして12分タイマー(当時は10分タイマーだった)を起動させた。
3分が経過した頃、再びインターホン。電話。メッセージを送信したが、変わらず反応はなかった。このやり取りを、3分ごとに繰り返した。訪問したお宅の玄関には屋根が付いてなかった。ずぶ濡れになりながら、僕はお客様からのリアクションを待ち続けた。そしてタイマーの残り時間が「0」になった。
スマホの液晶画面に「この配達は終了することができます」といった内容のお知らせが表示された。配達を終了するための確認ボタンも押せるようになった。
僕は最終確認のメッセージをお客様へ送った。インターホンも押したが、反応がなかった。僕は配達終了を選択し、次の配送先に向かった。お客様からクレームの電話があったのは、そこからさらに10分後だったと記憶している。
配送料と食事代が発生するにもかかわらず、自分の手元には何も届かない……注文した側からすると踏んだり蹴ったりだが、12分タイマーは配達員からすると「マニュアル通りの対応」となる。
つまり12分を超えて配達員を待たせてしまった場合、利用者側の落ち度として処理される。これを「配達員に持ち逃げされた」と責任転嫁されると、配達員からするとつらいものがある。
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