帯状疱疹に血尿、がん闘病中に次々と訪れる試練 日常生活は崩壊寸前、膀胱の全摘出手術を決断

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帯状疱疹の病状レポートが続いたので、がん闘病に話題を戻す。

暦は10月、秋本番を迎えていた。快適なシーズンになったにもかかわらず、体調的には帯状疱疹に続き新たな難題が降りかかってきていた。そもそものがんの原発巣である膀胱が再び活動を活発化させてきたのである。膀胱がんは発見時の腫瘍の大きさが小さく、ステージがⅠやⅡといったレベルであれば、腫瘍を切除したり膀胱を全摘出したりする。

ところが、筆者のケースは発見時に腫瘍が手術可能なレベルを超えるほどに肥大化していた。そのため膀胱そのものは温存して様子を見ることにして、転移先の肺の腫瘍の進行を抑制する治療を行ってきた。腫瘍が大きすぎて手術が難しいことに加え、仮に膀胱を全摘出しても肺に転移した腫瘍に効果が現れるものではない、というのも温存理由のひとつだった。

少量でも尿意を催す

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4月に抗がん剤治療を始めてから約半年。膀胱はおとなしくしてくれていた。尿意もなく痛みもない、そんな穏やかな日々が続いていたのだ。それが10月に入ってから、だんだんと尿意を催す回数が増えてきた。

尿意といっても、ほとんどは腎瘻カテーテルを通じて腎臓から直接排出されているので、多量の尿が出るというわけではない。尿意を催してトイレに行っても、尿道口から出るのは少量の血尿のみといったありさまである。もどかしい。

そんな状況の中、知人に頼まれていた北海道の水産DX関連の取材を1泊2日でこなしたが、まだ体力的には問題なく仕事をすることができた。同行した関係者、取材先の人たちも誰一人として筆者ががんであることを知らないので、通常に接し通したが、誰一人気づかなかった。頻尿もそれほどひどくなく、無事東京に帰ってこられた。

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