紙の手帳だからできる仕事力アップの｢段取り術｣ ｢My 締め切り｣の設定がビジネスに役立つ理由

次に、My締め切りまでに仕事を終わらせるには、どれくらい時間が必要かを見積もります。

仕事は納期逆算方式で、前倒しにスケジュールを組み立てます。ほかの予定も見ながら、ムリのないよう多めに時間を取るとよいでしょう。

ある日、上司から「この書類を○月9日（金）までに作ってほしい」と頼まれたとします。あなたは、すかさずMy締め切りを前日の○月8日（木）に設定しました。

そして「書類を作るのに2日かかりそうだな」と見積もったなら、My締め切りの2日前には手をつけようと計画します。

手帳にはふたつの締め切りに加えて、着手日や作業日も書き込んでおきましょう。いくつも書くことで見落としを防ぎ、注意喚起したり、進捗管理したりできるでしょう。

こうやって納期逆算方式で計画を立てると、急な仕事が入ったり、病気で数日間休んだり、サーバー不良など予期せぬ出来事があったとしても納期を限りなく守れるのです。

クオリティーを高めて信用度もアップ

My締め切りを作る目的は、納期を守るためだけではありません。品質を高めるためでもあります。

というのは、仕事はただ速いだけではダメ。雑なやっつけ仕事をすると、ミスが発生して品質が下がりやすいもの。

イマイチな出来ばえでは、手戻りややり直しを命じられるかもしれません。ただ、だからといって時間をかけて品質を上げようとすると、今度は納期に遅れてしまいます。

私はおっちょこちょいな性格なので、ケアレスミスをよくします。ですので、見直しや修正に充てる日をプラスして多めに見積もっています。

書類はできたてホヤホヤのものをセルフチェックしても、ミスに気づきにくいもの。「できた!」という高揚感や「自分は正しい」という妙な思い込みが邪魔をするためです。そこで、少なくともひと晩は書類を寝かせてからセルフチェックをするよう心がけています。

作り手からチェッカーの目線に変わると、客観的に正誤を確かめることができるようになります。

前倒しで仕事を進めると、落ち着いて取り組めるというメリットもあります。抱えている仕事を早く手放すと、ストレスから解放されますよ。ギリギリドタバタで仕事に追われる毎日を卒業すると、もう誰からも仕事の催促なんてされなくなります。

（画像：『「時間不足」解消！ 誰でも目標・夢を達成できる 朝5分だけ段取り手帳術』）