2024年の「ドラマ視聴率トップ10」驚きの結果 流行語「ふてほど」は?1年のドラマ総まとめ
まずは、年間の平均世帯視聴率トップ10と最高視聴率トップ5をみてみよう。
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平均世帯視聴率TOP10(朝ドラは15分枠なので除外)では、年間通して4作ともランクインしたTBS日曜劇場の圧倒的な強さが示されている。年配層含むドラマファンの固い支持層が下支えしているようだ。
また、最高視聴率TOP5は以下の通りだ。
1位は木村拓哉主演『Believe -君にかける橋-』の最終話。長年にわたり安定した支持を受ける『相棒』シリーズを上回る唯一の13%台は、役者としてのいろいろな評価がありつつも、木村の稀代のスターぶりを示しているだろう。
参考までに、朝ドラの平均世帯視聴率と、最高視聴率は以下の通りとなっている。
トップ10圏外でも話題を呼んだふてほど
一方で、今年もっとも話題になったドラマといえば、1月期(冬ドラマ)の『不適切にもほどがある!』だろう。平均世帯視聴率・最高視聴率ともにトップ10圏外だったものの、今年のユーキャン新語・流行語大賞で「ふてほど」が大賞に選ばれるなど大きな話題を呼んだ。
クドカン節全開の宮藤官九郎オリジナル脚本で、令和のコンプラ社会に感じる窮屈さや不自由さを、昭和のダメおやじの主人公を通して描き、“昭和あるある”小ネタや、芸達者なキャスト陣のコミカルな会話劇が視聴者の心を掴んだ。
令和と昭和の対比から、双方の社会を風刺するメッセージの投げかけには、そのリアクションへの世代間の温度差も見られた。しかし、そんな話題の喚起こそ制作陣の狙いだったのだろう。
続く4月期(春ドラマ)でも宮藤官九郎脚本の『季節のない街』(テレビ東京・ディズニープラス)に注目が集まった。
同名小説(山本周五郎著)を原作に、災害から12年を経た仮設住宅でいまも暮らす個性豊かな人々の人生を笑いと涙で描く群像劇で、これまでにも震災を伝えてきたクドカンの真っ直ぐなメッセージが突き刺さる作品。登場人物たちのおもしろおかしさの裏に、ときに切なさがにじみ、その根底には悲しみと痛みがある。春ドラマNo.1の秀作だった。
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