2024年の「ドラマ視聴率トップ10」驚きの結果 流行語「ふてほど」は?1年のドラマ総まとめ
さらに7月期(夏ドラマ)でも宮藤官九郎脚本の『新宿野戦病院』(フジテレビ系)が異彩を放っていた。外連味あふれるドタバタコメディ要素が全開。小池栄子、仲野太賀、濱田岳、生瀬勝久、柄本明ら個性派キャストたちが笑いを届けるドラマかと思いきや、後半で物語が一転する。
市井の病院を舞台に、コロナ禍の狂騒を揶揄しつつ、当時の社会を客観的な目線で描いたほか、致死率の高い未知のウイルスによる危険な感染症が再び世界中で流行する社会も描き、コロナ禍からの教訓を世の中に問いかけた。
振り返れば、2024年のドラマシーンは、宮藤官九郎イヤーでもあった。彼特有の会話劇や小ネタで視聴者を楽しませながら、忘れ去られようとしている現代社会の課題を掘り起こした。3作とも社会的意義のあるドラマだった。
TBSドラマの一部に見られた韓国化
ドラマシーンのトピックとしては、TBSの韓国傾倒が顕著になった年でもあった。
1月期の『Eye Love You』ではヒロイン(二階堂ふみ)の相手役をチェ・ジョンヒョプ、年間の平均世帯視聴率で1位に輝いた7月期の日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』では主人公の天才外科医(二宮和也)を慕う研修医役をキム・ムジュン、その母親役をチェ・ジウが演じるなど、主要登場人物への韓国人俳優のキャスティングが目立った。
内容面でも、『Eye Love You』はキャラクター性もストーリー展開も、韓国ラブコメをそのまま日本ドラマに持ってきたかのようなファンタジックラブストーリーだった。
また、7月期の『笑うマトリョーシカ』(TBS系)での、主人公の父のジャーナリスト(渡辺いっけい)が車を運転中にダンプカーに真横から突っ込まれるシーンなどは、韓国ドラマのド定番。裏切りとどんでん返しが続くサスペンス展開も、韓国が得意とするサスペンス系のドラマ系譜だと感じた。
今年3月にはTBSプロデューサーらクリエイターが韓国へ渡り、同国最有力スタジオのひとつであるスタジオ・ドラゴンなどのクリエイターらとのワークショップや研修を実施。5月にはTBSと韓国の総合エンターテインメント企業 CJ ENMは今後3年で3本以上の地上波ドラマ、2本の劇場用映画を共同制作することに合意したことが伝えられている。
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