2024年の「ドラマ視聴率トップ10」驚きの結果 流行語「ふてほど」は?1年のドラマ総まとめ

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もう1作が『ライオンの隠れ家』(TBS系)。両親を突然の事故で亡くした主人公が、自閉スペクトラム症の弟と平穏に生活しているなか、謎だらけの事件に巻き込まれていく。心温まる家族ドラマが描かれながら、徐々にサスペンス要素が色濃くなる。

サスペンスのシリアスな展開に引き込まれつつ、DVを受けていた子どもを取り巻く騒動のなかで、兄弟の姿と心の動きにほっこり心が温まったり、切なくさせられたりする。気づくと感情を揺さぶられている、家族のあり方を描くドラマだった。

『地面師たち』『極悪女王』など配信ドラマも話題に

もうひとつの今年のエポックメイキングなトピックは配信ドラマのヒットだ。

なかでも『地面師たち』は、今年を代表するドラマの1作となる世の中的な話題になった。近年では邦画大作を撮ることも少なくなった大根仁監督がNetflixに企画を持ち込み、自ら監督・脚本を手がけたクライムサスペンス。

地面師たち Netflix
Netflix『地面師たち』(写真:Netflix公式サイトより引用)

実際に起きた不動産詐欺事件をベースに、裏社会に生きる、個性的過ぎる地面師たちの暗躍ぶりを、生々しい暴力や性描写を盛り込みつつ、エンターテインメント性の高い社会派人間ドラマとして描き出した。

地面師のひとりである元司法書士(ピエール瀧)のセリフ「もうええでしょう」が、今年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされたことは、本作の社会的ヒットと印象の強さを示している。

実際、見終わったあとのインパクトは凄まじい。作品からエネルギーがほとばしる、強烈な見応えのある怪作だった。配信ドラマが一般的になった時代に、改めて地上波連続ドラマとは異なる映像作品のすごみを白日のもとにさらした1作と言えるだろう。

これ以外にも、俳優の賀来賢人がNetflixに企画を持ち込み、自ら主演&共同エグゼクティブ・プロデューサーを務めた『忍びの家 House of Ninjas』がグローバルヒットになったほか、鈴木おさむの企画・脚本・プロデュースによる『極悪女王』も、ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽らの熱演による昭和の女子プロレス界を舞台にした人間ドラマが話題を呼んだ。

また、ハリウッド制作の本格時代劇『SHOGUN 将軍』(ディズニープラス)は、『第76回エミー賞』主要部門を含む史上最多18部門制覇。日本人受賞者も史上最多9人となる歴史的な快挙の話題が、日本メディアを連日にぎわせた。世界的に日本題材のドラマへの注目度を高めた作品としても特筆される。

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武井 保之 ライター

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たけい・やすゆき / Takei Yasuyuki

日本およびハリウッドの映画シーン、動画配信サービスの動向など映像メディアとコンテンツのトレンドを主に執筆。エンタテインメントビジネスのほか、映画、テレビドラマ、バラエティ、お笑い、音楽などに関するスタッフ、演者への取材・執筆も行う。韓国ドラマ・映画・K-POPなど韓国コンテンツにも注目している。音楽ビジネス週刊誌、芸能ニュースWEBメディア、米映画専門紙日本版WEBメディア、通信ネットワーク系専門誌などの編集者を経て、フリーランスとして活動中。

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