映画【推しの子】を"売れっ子MV監督"が撮る狙い ドラマ・映画版プロデューサーに聞く(前編)

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――コンペでプレゼンを行ったときには、他社との違いをどうアピールされたのでしょうか?

『【推しの子】』にはたくさんのエピソードがあるので、映画1本では絶対に収まらないですし、かつ連続ドラマだけでももったいない気がしました。

私自身、ちょうどその頃に(木村拓哉主演の映画)『レジェンド&バタフライ』をプロデュースしていて。その配信についてAmazonのコープロデューサー津田哲裕さんとお話をしていたときに、こういう原作があるんですが、どう思います?と相談したところ、この企画に乗ってくださった。

そこでまずPrime Videoで連続ドラマを配信して、そこから劇場版を公開する、といったご提案を原作者のお2人と出版社さんにさせていただいた、というのが流れです。

映画 【推しの子】
劇中に登場するアイドルグループ、B小町のメンバーを演じる齊藤なぎさ(左)、原菜乃華(中央)、あの(右)©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 ©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会

――やはり東映といえば映画の会社ですし、まずは東映で映画を1本つくって、好評だったら、さらに続編の映画を企画するといったやり方は考えなかったのですか?

理由は2点あります。まずはストーリー構成です。この原作のストーリーをどうやって組み立てたらいいかと考えたときに、配信と映画で原作の魅力的な物語を余すことなく、そして一気に描き切ったほうがいいと考えました。

もう1点は、原作権を預けていただくために、新しい形を提案したかったからです。もしこの配信ドラマと映画を組み合わせるスタイルがうまくいったら、ほかの作品でもそういうスタイルがスタンダードになっていくような。そんな新時代の枠組みを構築したいと考えたのがスタートでした。

ドラマ→映画の構成だった理由

――まず映画をつくって、そこから連続ドラマというスタイルだと、最近では『ゴールデンカムイ』などがそうですが。今回はそのような構成ではなく、連続ドラマから映画という構成にしようと思ったのは?

映画の構成がちょっと特殊で、1本の映画としても楽しめる内容を目指していたという点があります。

配信が始まってから約2週間後に映画が公開されるという、このローンチの近さを利用することで、映画を観た人がまた配信を見返してみたくなるような。あるいは配信を観てから映画を観たいと思ってもらえるような。何度も楽しんでもらえるような座組ができたらと思いました。

そういう意味では、ドラマを先に配信しておかないと、この座組は成立しません。だからこそ最初からこの座組で考えていました。

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