雌伏30年、リユース「トレファク」が大化けしていた 商材多様化、未開封ウイスキーを4000万円で販売も

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市場拡大の追い風となった理由はいくつかあるが、最も大きいのは「断捨離」ブームと震災や豪雨による「自然災害」被害だろう。これらを見聞きした消費者は昔に比べてモノへの執着心も薄れた。「そのうち使うかも」ではなく不用品の見切りも早くなったという。

「近年は新品に近い商材を売りに出される方も増えました。ご自宅で保管されるとどうしても経年劣化してしまいます。希少性や市場性との関係もありますが、状態がよい品は高値で取引される可能性が高まります」

熟成ウイスキー「山崎50年」を4000万円で販売

創業間もない時期は10万円の家具が大型案件だったが今や桁が違う。今年は個人宅に出張買取したサントリーウイスキー「山崎50年」(2007年販売分)が4000万円(取引時の時価)で売れた。

「近年評価が高いジャパニーズウィスキーの中でも『山崎50年』は希少性があり、オークションに出品されるほどです。2005年、2007年、2011年と過去3回にわたり本数限定で販売されてきました」

2007年は50本限定で販売されて当時の希望小売価格は100万円。ウイスキーは熟成期間が長いほど、まろやかで芳醇な味わいになるとされ、50年熟成は世界的にも珍しい。

「未開封品で付属品も完備していたのでこの価格で販売できました」と話す野坂社長。お客の自宅に出向き、家具など他の品と一緒に査定・買取したという。

未開封品で付属品も完備していた「山崎50年」を4000万円で販売(写真:トレジャー・ファクトリー提供)

「『山崎50年』は未使用品の国内販売でしたが、海外でも日本人が使った品、日本のクオリティで見極められた品は“ユーズド・イン・ジャパン”“チェックド・バイ・ジャパン”として評価が高いです。モノを大切に使い、日本人の厳しい目で判断された品として、国内では需要が高くない木製のタンスも親日国であるタイや台湾では人気です」

一方、業界全体では参入業者が増えた結果、課題も出てきた。例えば加盟店募集に応募した未経験者に対し、開業資金を徴収した後にきちんと技術指導や運営支援しているか、という話も聞く。

ここまで拡大した市場だからこそ、売り手と買い手、本部と店舗との関係性もますます重要となってくるだろう。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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