ランキングを詳しく見ていこう。上位5大学は、前年と同じ順位で並び、その大半が工科系大学。研究や論文執筆などを通し、他者と協調する力や論理的思考力が身についた学生が多いことから、理系学部出身者の就職力は高い。さらに情報化社会が加速する近年は、理系人材があらゆる業種で求められ、就職の間口が広がっていることも大きい。
2024年卒の理工系学部の平均実就職率は91.6%で、医療系や教員養成系などの就職直結の資格が取れる学部系統を除くと、最も高い系統になっている。
ランキング上位の工科系大学は、長い歴史の中で輩出してきた人材の多さも高い実就職率の一因。創立年を見ると、愛知工業大が大正元年(1912年)、大阪工業大が大正11年(1922年)、名古屋工業大が明治38年(1905年)と、3大学が戦前の創立だ。
1位の愛知工業大の就職先
ランキング上位の工科系大学の就職先を見ておこう。1位の愛知工業大は、メイテック13人、デンソーテクノ12人、矢作建設工業10人など、地元愛知県発祥の企業を中心に就職者を輩出。3位の大阪工業大は三菱電機ソフトウエア22人、オプテージ13人、三菱電機エンジニアリング12人に加え、関西電力と三菱電機が各9人など、有名企業への就職者も多い。
4位の金沢工業大学は、戦後の1957年創立だが、学生の育成に高い評価を受けている。大学通信が進学校の進路指導教諭を対象に行っているアンケート結果を見ると、2024年は「就職に力を入れている大学」で2位、「面倒見が良い大学」は20年連続で1位だ。主な就職先は、北陸電気工事13人、コマニー、澁谷工業、PFUが各9人など。
5位の名古屋工業大の就職先は、デンソー61人、トヨタ自動車24人、アイシン22人など、愛知県内のトップ企業に多くの学生が就職している。
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