そんなぴぱんくぅが歌舞伎町でゴミ拾い活動を始めたのは、2023年12月。その背景には、訪日客やトー横に集まる若者が増え、目に見えてゴミが増えたのがきっかけだとKENZIさんは話す。
街が汚れていくのを見過ごせなかった
「若い子らがコンビニでカップラーメンを買って、食べかけをその辺に捨てるんです。チューハイの空き缶、野菜ジュースやチキンのゴミ、空の錠剤の容器も多いです。外国人のなかには、空き瓶をその辺に転がす人もいる。ネズミの量も半端なくて、あっちこっちウロチョロしています」
音楽活動のかたわら、KENZIさんがバーを開いたのは2005年。ライブの打ち上げや、音楽好きが交流できる場所を作りたい、という思いからだった。以来、20年近くにわたって、夜は歌舞伎町で過ごしている。
そんなKENZIさんだからこそ、街が汚れていくのは見過ごせなかったのだ。どうせなら、誕生したばかりのキャラクターでゴミ拾いをすることにした。
そして当日。ぴぱんくぅは(設定上)しゃべれず、視界も狭い。何が起こるかもわからないので、数名のスタッフが同行し、KENZIさんことぴぱんくぅは歌舞伎町へ。冒頭で紹介したように、一帯はたちまちテーマパークのようになったのだが、この街のお客さんは残念ながら礼儀正しい人ばかりではない。
女の子が「何だ、お前!」と近づいてきたかと思ったら、棒で頭をひっぱたかれた。尻がもぞもぞするので振り向くと、子どもが尻尾を取り外そうとしていた。大柄な外国人には、お姫様抱っこをされた。一番驚いたのは、誰かにいきなりタックルされ、ふっ飛ばされたことだった。
「あのときはむちゃくちゃ腹立ちました。(着ぐるみの)頭を取って、追いかけ回してやろうかと思いましたもん、本当に(苦笑)」
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