それでも約30分間かけて歌舞伎町を一周し、ゴミ拾いを行った。同行した女性スタッフの1人は、「怖いからもう行きたくないです」と泣き出しそうだったが、KENZIさんはまったく逆の思いだったという。というのも、昔から刺激のあることが大好きな性格。初めてのゴミ拾いも、いら立つこともあったが、楽しさのほうが圧倒的に大きかった。
「(テレビドラマ『がんばれ!!ロボコン』の)ロボコンっていうキャラクターがいるんです。失敗ばかりしてるのですが、すごく人間味があって、大好きで。ロボコンを見てると、誰だって完璧じゃない、失敗してもいいんだって思えて、夢が広がっていくんですよね。ぴぱんくぅも、うまくいかないことがあっても、『あのピンクのやつ、また来てる』って言われるくらい通ってやろうと思います」
街に飛び出すことで、人々に癒やしを与えていきたい
以来、月1~2回のペースでゴミ拾いをするうちに、ぴぱんくぅと遭遇した人がSNSに上げたことなどもあって、少しずつ注目されるようになった。ユニークな取り組みだと取材も受けた。
またゴミ拾いの回数を重ねるにつれ、人々との適度な距離の取り方や立ち回り方をKENZIさんもスタッフもつかんできたため、手荒い歓迎を受けることも減っていった(怖がっていた女性スタッフも変わらず同行してくれている)。
うれしかったのは、とKENZIさん。「タンクトップでめちゃくちゃ入れ墨をしてる人が、『ピカチュウの進化系だ!』って言ってくれたんです。この人わかってるな、よいこと言うなって思いました(笑)」と、満足そうに振り返る。
今後もゴミ拾いを続けていくのはもちろんだが、歌舞伎町の住人たちともっと深い付き合いをするなど、活動内容も進化させていきたいとKENZIさんは話す。
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