(第31回)テレビ赤字の原因は円高でなく垂直統合

(第31回)テレビ赤字の原因は円高でなく垂直統合

2011年秋の中間決算発表で、パナソニックは、12年3月期決算の当期純利益(最終益)が4200億円の赤字に陥るとの見通しを発表した。これは、02年3月期の4310億円に次ぐ、史上2番目の大赤字だ。

シャープの11年4~9月期決算は、最終益が398億円の赤字となった。ソニーは、12年3月期決算で同900億円の赤字になる見通しだ。これでソニーは4年連続の赤字となる。9月期中間決算では、パナソニック、ソニー、NEC、シャープの4社が最終益赤字となった。

テレビ事業に限らず、一般に日本企業の業績は振るわない。そしてこれは円高によるところが大きく、また、法人税率が高いなどの「六重苦」のためだと言われる。そして、企業の外部環境が悪化したにもかかわらず、政府が適切な政策を取らないからだとされる。

しかし、そうなのだろうか? 為替レートについて言えば、数年前と比べて円高になったのは事実だし、名目レートで言えば確かに史上最高値だ。しかし、貿易に関係するのは、各国間の物価上昇率の差を調整した実質レートである。それを00年頃と比べると、3割程度円安だ。1995年頃と比べると、5割程度も円安である。

また、赤字企業は法人税を払わないのだから、それが不調の原因になるはずはない。そして日本企業で法人税を払っているのは3割程度に過ぎないのである。その結果、GDPに対する法人関係税の比率は、欧米諸国はもとより、アジア諸国に比べてもかなり低い。

さらに政府は、露骨で過剰としか言えない業界補助をしている。経済危機後、エコカーやエコ家電に対する救済策が講じられた。エコカー補助は、いったんは中止されたものの、第4次補正予算案で復活した。

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