自動車販売の業界団体である乗用車市場信息聯席会(乗聯会)のデータによれば、中国市場で2024年上半期(1~6月)に販売された乗用車の平均価格が18万6000元(約384万円)だったのに対し、同年10月の平均価格は16万8000元(約347万円)と約1割下がった。買い換え補助金の導入とともに、新車販売に占めるより安価なクルマの比率が上昇したためだ。
その恩恵を最も大きく受けているのが、中国のEV・PHVの最大手である比亜迪(BYD)だ。低・中価格帯のクルマが主力の同社は11月の販売台数が50万台を突破し、過去最高記録を更新した。
同じく低・中価格帯を主力にするEV大手の広汽埃安(広汽アイオン)は、11月に4万2000台を販売。新興EVメーカーの中で価格性能比への評価が高い零跑汽車(リープモーター)は同4万台、小鵬汽車(シャオペン)は同3万台を販売し、いずれも過去最高を記録した。
高級車メーカーは苦戦
対照的に苦戦が目立つのが中・高級車だ。乗聯会のデータによれば、買い換え補助金の導入前の2023年には、メーカー希望価格が30万~40万元(約620万~826万円)のクルマが新車販売台数の10%を占めていた。だが、この比率は2024年10月には7.9%に低下。40万元を超える高級車の比率も同じく下がりつつある。
例えば、新興EVメーカーの中でも高級路線をとる理想汽車(リ・オート)は、2024年1月から11月までの販売台数が44万2000台にとどまり、年間50万台の目標達成が危ぶまれている。同社のラインナップには希望価格が20万~30万元(約413万~620万円)の車種が1つしかなく、その他はすべて30万元を超える。
そんな中、理想汽車は2024年末までにクルマを購入した顧客に対して、ローン金利を3年間ゼロにするキャンペーンを始めた。値引きを抑えて高級イメージを維持しつつ、販売をテコ入れするための苦肉の策とみられる。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は12月2日
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