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廃棄に待った!ホテルの食品ロス減"確かな一手" 宴会シーズン 客側も「食べ残し」しない意識を

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  • 藤井 誠一郎 立教大学コミュニティ福祉学部教授
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またホテル内のレストランや宴会で食べきれなかった料理を、客の自己責任で持ち帰ってもらい、食品ロスを削減する取り組みに「mottECO(モッテコ)」がある。mottECOには「もっとエコ」と「持って帰ろう」という意味があり、国が推奨する取り組みだ。

外食大手のデニーズとロイヤルホストが2021年から連携してスタート。2022年には和食さとと日本ホテルが加わり4社連携のコンソーシアムとなった。2024年度からは産官民21団体が連携する「mottECO普及コンソーシアム」となって食品ロス削減を推進している。

もちろん、安全衛生上、すべての食材が持ち帰れるわけではない。日本ホテルでは「中心温度が75度以上で加熱したもの」という社内基準を設定し、パン、フライドチキン、ピラフ等が対象となる。生もの、傷みやすい料理は持ち帰れない。

持ち帰り用に配付している環境に配慮した認証紙製の容器(写真:筆者撮影)

まずはレストランや宴会場でおいしく残さず食べきってもらう。そのうえで食べきれなければ、希望者に環境に配慮した認証紙製の容器と持ち帰り時の注意点を配付している。

食品ロス削減に向けたmottECOの更なる推進

地球上には十分な食料を食べられず、栄養不足に苦しむ人々が数多くいる。そのような地域に、余った食料を輸送できればよいのだが、手段やコストを考えるとその実現性は低い。

よって私たちにできるのは、食品ロスを出さぬよう日々の生活を送ることであろう。mottECOのような食べ残しを持ち帰る取り組みが今後もいっそう推進されるべきである。

mottECOの取り組みルールでは十分に加熱した料理のみを持ち帰れるようにしているので、日本ホテルの実績においてクレームや事故はこれまでは1件も発生していないという。

しかし、客側の責任で持ち帰るとはいえ、万が一事故が発生した際には事業者側に一切責任が発生しないとまでは言い切れない状況にある。よってmottECOが多くのホテルで採用されるには至っていない。

食べ残しの持ち帰りに関する飲食店側の責任の範囲を明確にするためにも、早急に国によるガイドラインの作成が期待される。また、mottECOの取り組みが広く認知され、余ったものは持ち帰るといった文化が私たちの間に育まれていくのを期待したい。

統括名誉総料理長の中村勝宏氏(右)、取締役総支配人の松田秀明氏(中央)、総料理長の岩崎均氏(写真:筆者撮影)
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