ところが中国市場に目を移すと、ボッシュは(ヨーロッパ市場とは)真逆の課題に直面している。中国の自動車メーカーはクルマの電動化やスマート化で世界をリードしており、それに追いつく必要に迫られているのだ。
中国市場では新車の月間販売台数に占めるEVおよびPHV(プラグインハイブリッド車)の比率が、2024年7月から4カ月連続で50%を超えた。市場の主役はもはや(エンジン車から)EV・PHVに交代したと言っても過言ではない。
さらに、消費者が新車を購入する際の決め手として、スマート機能の高さがますます重視されるようになっている。例えばメーカー希望価格が20万元(約426万6800円)前後の新車の場合、最低でも高速道路に対応した先進運転支援システム(ADAS)を搭載していなければ、中国の消費者には今や見向きもされない。
中国法人に大きな裁量
「わが社は中国市場の変化に積極的に対応している。ボッシュの電動車向け部品の多くは、中国で最初に量産を始めた。中国法人(の研究開発部門)は、電動車やスマートカー向けの部品や機能の開発も主導している」
ボッシュ中国法人の総裁(社長に相当)を務める徐大全氏は、財新記者の取材に対してそう述べた。
クルマのスマート化に関して、ボッシュはもともとハードウェアとソフトウェアを統合したソリューションを目指していた。しかし徐氏によれば、中国では完成車メーカーによるスマート機能の自社開発のトレンドを尊重(して協業)する方向に、すでに舵を切ったという。
「中国市場で起きている変化は、やがて全世界に広がっていく。ボッシュ本社が中国法人の研究開発に大きな裁量を与えているのは、中国での経験の蓄積を将来のグローバル事業に生かすためだ」。徐氏はそう強調した。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は11月23日
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