EVの「スマート機能」、中国と海外で人気度に落差 車内エンタメ重視の中国、走行性能優先の欧米

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中国市場では自動運転やインターネット接続などのスマート機能がEVの人気を左右する。写真は中国の蔚来汽車のEV「ET5T」の運転席(同社ウェブサイトより)

「EV(電気自動車)の購入を検討する際、中国の消費者はスマート化や自動運転機能のレベルにこだわるが、欧米の消費者は(スマート化より)走行性能を優先する傾向がある」

大手コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナーで自動車産業を担当する管鳴宇氏は、11月17日に北京で開催された業界向けフォーラムでそのような見方を披露した。

「中国ではEVのスマート化への注目度が欧米よりずっと高い。中国の消費者は、そのためにマイカー買い替えも辞さないほどだ」(管氏)

テレビや冷蔵庫を標準装備

管氏だけではない。フォルクスワーゲン(VW)中国法人の子会社で、車載AI(人工知能)技術の開発を手がけるフォルクスワーゲン・モブヴォイの張人傑CEO(最高経営責任者)は、同じフォーラムで次のように指摘した。

「中国の自動車メーカーは、スマートカーをまるでユーザーの(自宅、職場に次ぐ)『第3の居場所』のように位置付けている。そのため、大型のスマートカーでは『テレビ、冷蔵庫、ソファーのようなシート』が標準装備になっているが、海外市場のニーズには必ずしも合っていない」

このようなギャップは、中国メーカーの海外事業にとっても、外資系メーカーの中国事業にとっても、共に大きな課題になっている。現時点では、海外市場で売れている中国製EVはコストパフォーマンスに優れた中級モデルが中心で、(スマート化が売り物の)高級モデルはそれに及ばないのが実態だ。

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