フォードの中国事業「輸出拠点化」で増す戦略性 中国法人トップが本社の国際事業責任者を兼務

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フォード中国法人のCEOのまま、本社の国際事業の責任者を委ねられた呉勝波氏。異例の人事の背景には、呉氏が主導した中国戦略の大転換がある(写真はフォード中国法人のウェブサイトより)

アメリカ自動車大手のフォード・モーターは2月7日、同社中国法人の総裁兼CEO(社長兼最高経営責任者)を務める呉勝波(サム・ウー)氏の職責を広げ、フォード本社の国際マーケット・グループの責任者を兼務すると発表した。

呉氏は2022年にフォードに入社し、中国法人のCOO(最高執行責任者)に就任。翌2023年3月に総裁兼CEOに昇格した。中国事業のトップに本社の海外事業部門を統括させるという今回の人事は、フォードのグローバル戦略における中国の重要性の高まりを意味する。

中国勢との正面競争を回避

中国の自動車市場では世界に先駆けて急速なEV(電気自動車)シフトが進み、競争力をつけた中国メーカーが市場シェアを伸ばし続けている。

フォード本社のジム・ファーリーCEOは、そんな中国市場の変化を目の当たりにし、中国メーカーと正面から競争するのは賢明でないと判断。中国での事業戦略の大転換に踏み切った。

具体的には、中国市場で販売するクルマを(フォードが強みを持つ)オフロード車や商用車に絞り込む一方、中国の完成車工場をエントリークラスのEVおよびエンジン車の「輸出拠点」にするというものだ。

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