フォードの中国事業「輸出拠点化」で増す戦略性 中国法人トップが本社の国際事業責任者を兼務

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新たな中国戦略を2023年5月に発表した後、フォードの中国事業は輸出拡大をテコに大きく改善。2024年は7年ぶりの通期黒字を達成した。

フォードの中国事業は工場の輸出拠点化をテコに黒字に転換した。写真は自動車運搬船への積み込みを待つ中国製のフォード車(同社中国法人のウェブサイトより)

フォードは中国工場で生産したクルマを主に東南アジア、中東、南アメリカなどの市場に輸出している。2024年の輸出台数は約17万台に上り、前年比6割を超える伸びを記録した。

それだけではない。フォードはクルマのデジタル化やスマート化(の研究開発)への投資を拡大しているが、中国法人はここでも重要な役割を担う。高い技術力とコスト競争力を持つ中国のサプライヤーと共同開発した新型EVを2025年中に投入し、全世界に輸出する計画だ。

アメリカ以外の成長機会追求

フォード本社が2月5日に発表した2024年の通期の決算報告書によれば、エンジン車事業の売上高は前年比横ばい、利益率はやや低下した程度だったのに対し、EV事業の売上高は大幅に減少し、損益は51億ドル(約7733億円)もの巨額の赤字に陥った。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

背景には、主力のアメリカ市場におけるEV販売の失速がある。2025年は(EV補助金の廃止を掲げる第2次トランプ政権の発足により)市場環境のさらなる悪化が見込まれ、フォードはEV事業への投資計画の縮小を決めた。

そんなタイミングで発表した中国法人トップの職責拡大は、中国のEV関連産業のインフラをフォードが積極活用し、アメリカ以外の市場に成長機会を求める狙いがありそうだ。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は2月8日

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