やさしいママが急変「母親を鬼に変えた」病の正体 「このままじゃダメだ…」女性がとった行動とは

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月経前症候群の詳しい原因はまだわかっていないものの、女性ホルモンの一種である黄体ホルモンの関与が指摘されている。

「生理のある人の70~80%の人に起こるとされていますが、つらい場合は受診したほうがいいでしょう。仕事に支障が出たり、家庭不和につながったりすることもありますから」(菊池医師)

月経前症候群の診断では問診が最も重要だ。このため、受診する場合は日頃から診てもらっているかかりつけ医や、心療内科が勧められるそうだ。必ずしも婦人科でなくてもいい

治療では、漢方薬が処方されることが多い。このほか症状に合わせて鎮痛薬や睡眠薬、抗不安薬などが検討される。リラクゼーションも効果的だ。菊池医師は患者に「自分だけの時間を作ること」や「運動などで体を動かすこと」などを勧めている。

「一般的な薬物治療でよくならない場合や、症状の重い患者さんには低用量ピルによる治療など、専門的な治療が必要になるため、婦人科に紹介します」(菊池医師)

婦人科というと、「内診をされるのではないか」と受診を躊躇する女性が多いかもしれない。しかし、月経前症候群で内診をされることは基本的にはないそうだ。

とくに男性の理解は「効果的」

最後にこの病気には夫やパートナー、家族の理解が欠かせないことにも触れておこう。

菊池医師は、「とくに男性の理解は効果的」という。「症状のつらさを理解してもらうことが、症状の改善にもつながります。この点、かおりさんの対応は見事でしたね」(菊池医師)。

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自分からは(月経前症候群について)言いづらいという人はどうか。

「診察に同席してもらうといいでしょう。実際のところ医師から病気の説明をされて、ようやく『そうだったのか』と理解をする男性は多いのです」(菊池医師)

女性は勇気を出して話すこと。男性はパートナーの話に耳を傾けることがまずは必要なようだ。

菊池 大和 きくち総合診療クリニック

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きくちやまと / Yamato Kikuchi

2004年、福島県立医科大学医学部卒。浜松医科大学附属病院にて初期研修医。磐田市立総合病院外科、国立がんセンター東病院呼吸器外科、湘南東部総合病院外科科長・救急センター長、座間総合病院総合診療科などを経て2017年、土日も診療を行う総合診療クリニックであるきくち総合診療クリニックを開業。小児から高齢者まで、救急医療も行い、あらゆる症状を診る「総合診療クリニック」が全国に広がることを目指し、啓発活動にも積極的に取り組んでいる。

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狩生 聖子 医療ライター

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かりゅう きよこ / Kiyoko Karyu

1966年神奈川県生まれ。立教大学経済学部卒。OA機器商社に勤務しながら週刊誌での執筆を始め、フリーランスライターとして独立。現在は健康分野(健康、医療、医学部教育など)を中心に書籍の企画・編集、取材、執筆をしている。著書に「ぐっすり眠る!37の方法」 (宝島社新書)など。

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