「親の介護施設入居」を難航させる3つのハードル 本音は「施設の種類が多すぎてよくわからない」
太田 そうなんです。だから価格帯も「ピンからキリまで」さまざまです。公的施設は民間に比べてコストが抑えられるし、そのうえ、所得が少ないと利用料が軽減されるメリットもあります。
月野 パンフレットをササッと見るだけではわからないことっていろいろあるんですね。
施設入居に関するポイントとキーワード
●施設入居のタイミング
子が親の施設探しを決断するタイミングの例は次のとおり。
1.親が一人でトイレに行けなくなったとき
2.親が火の始末をできなくなったとき
3.親が食事をとらなくなったとき
4.介護者までが倒れそうになったとき
5.「要介護4」となったとき
『高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第3版』(太田差惠子/翔泳社)より
●ショートステイ
自宅にこもりきりの人の孤立感の解消や心身機能の維持回復、家族の介護の負担軽減などを目的とした宿泊サービス。介護保険を利用する場合の連続利用日数は30日まで。
●介護付有料老人ホーム
食事や生活支援サービスなどを提供する民間の高齢者施設を「有料老人ホーム」と呼ぶ。そのうち、24時間体制で介護を提供するホームは「介護付(特定施設)」、そうでないホームは「住宅型」。
●介護老人保健施設
通称「老健(ろうけん)」と呼ぶ公的施設。永続的に暮らし続けるのではなく、在宅復帰を目指しリハビリや医療、介護を受け、3カ月程度入居する。入居申し込みができるのは原則、要介護1以上。
●介護保険施設
介護保険法に定められた高齢者福祉施設。特養、老健、介護医療院の3種類があり、入居条件が決まっている。入居一時金はなく、所得が少ないと利用料が軽減される。介護医療院は長期的な療養を必要とする人に限られる。