「余命1年」身障者4級への行政支援のありがたさ 月額手当や各種交通機関の割引が得られる

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縮小

次に3カ月後の画面を見ると、左側の丸っぽかった腫瘍は随分と縮んでいるのがわかる。直径を見ると23.56mmだ。当初の38.7mmの6割まで小さくなった。右側の腫瘍の直径は28.05mmだから、こちらも65%の大きさまで縮小した。

3カ月で腫瘍は明らかに縮小していた(筆者撮影)

明らかに抗がん剤が効いたのである。

「ここまで効果が出たから、次はこの効果を維持するアベルマブ療法に切り替えましょう。アベルマブ(薬品名はバベンチオ)は免疫チェックポイント阻害薬の一つで、臨床試験の結果では、尿路上皮がんに対する化学療法後の治療効果を、この薬によって持続させることでがんの進行を遅らせる可能性があることが示されています」

余命を延ばせるかもしれない…

医師の説得に加え、事前にネットで調べていた結果(全生存期間の中央値が23.8カ月でアベルマブ未使用の15.0カ月を大きく上回った)も把握していたので、翌週から第2弾のアベルマブ療法に切り替えることにした。

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このまま順調にいったら、完治とまではいかないまでも進行を遅らせ、余命1年が2年になるかもしれない。そんな光明が差し込んできたかのようだ。

CT画像の結果は診察室を出てからすぐにLINEで妻と娘に伝えた。2人とも大喜びしてくれた。帰りに吉祥寺の魚屋に寄り、夜は鯛の清蒸や刺身の盛り合わせで喜びを分かち合った。

しかし、この小さな幸せがいつまでも続くことはなかった……。

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