18歳投票権とネット活用で若年層軽視の政策を正せ

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政治家・政党は投票率や投票数シェアの高い高齢者に有利となる政策事項を優先する。高齢者の政治的プレッシャーが高い政策立案にバイアスがかかるのは、政治力学的には当然といえる。これが長期債務や年金問題先送りの根底にあるのだ。

よって、これらの問題解決には若年層による政治への圧力・働きかけが必要で、これらを受けて世代間格差の是正に本気に取り組む政治家・政党が求められる。

制度改正と教育の両輪で

そこで若者の政治的プレゼンスを高めるために二つの提言をしたい。

一つは投票年齢の引き下げ。英国、フランス、ドイツ、ロシア、オーストラリアなど主要国の投票年齢は18歳である(米国は州によって異なる)。日本では、10年5月に国民投票法(日本国憲法の改正手続きに関する法律)が施行されたが、この付則には18歳投票権を実現するために「必要な法制上の措置を講ずる」と定められている。

昨年10月には憲法審査会が始動、形としては「18歳投票権」を議論する環境はできたが、震災対応などで実質的な議論は進んでいない。

議論が進まない背景には国民の関心の低さもある。投票権年齢などの引き下げに取り組むNPO法人「Rights」代表理事の菅源太郎氏は「最も冷めているのは、実は当事者である若者なのかもしれない」と言う。欧米団体と交流するたびに、政治への意識の内外格差を痛感するという。そのうえで、菅氏は、「若年層の選挙参加を広げるためには、制度だけでなく、教育が必要」とする。「教育の場で模擬選挙などを行い、生徒会活動が民主主義の実践の場となれば、若者の意識は大きく変わる」という。

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