カフェ、コンビニが問われる「脱使い捨て」の責任 グリーンピースがごみ大量排出の実態を解明
店内飲食と比べて、使い捨て比率が圧倒的に高いのがテイクアウト(持ち帰り)だ。これは、カフェ、コンビニとも共通している。カフェチェーンでは、スターバックスがステンレス製の容器を客が借りて飲んだら返して再利用するシェアリング型のリユースシステム「Re&Go」(リーアンドゴー)を都内や愛知県の38店舗で導入しているが、全体の店舗数である1986店舗(2024年9月末)からすればごく一部だ。
スターバックスでは今年6月、38店舗の店長が集い、「借りるカップ 店長サミット 2024」と称する社内イベントを実施した。
このイベントに登壇したスターバックスコーヒージャパンの水口貴文CEOは「リソースポジティブカンパニーを目指し、廃棄物などを削減するうえで『借りるカップ』はとても重要。リユースの文化をスターバックスがリーダーシップをもって日本でさらに広めていくことはとても意味がある。ぜひ挑戦していきたい」と前向きな姿勢を見せた。
だが、借りるカップは2021年11月の開始から3年が経過しているのにいまだに実証実験にとどまり、大規模な店舗展開に至っていない。その理由についてスターバックスコーヒージャパンは明らかにしておらず、リユースをどう拡大させていくか、その方針が不明確だ。
タリーズはテイクアウトでの取り組みでもこれといったものは見られなかったが、「現在、新たなリユースの仕組みを構築中」(広報担当者)だという。また、「創業当時から推奨してきた客のタンブラー利用の推奨にも努める」(同担当者)とする。
桁違いに多いコンビニのごみ排出量
コンビニ各社の使い捨てカップのごみ排出量は、カフェチェーンと比べても桁違いに多い。しかも、“脱使い捨て”に向けた対策があまり進んでいないのが実情だ。
セブン-イレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングスの広報担当者は、東洋経済に対し「プラスチックが環境に与える影響は大きく、企業としてプラスチック削減と回収リサイクルによる資源循環をより進めていく必要がある」と答えた。そのうえで、「商品設計の段階からリサイクルを前提とする環境配慮設計を推進している」という。
同社はさらに「資源の有効利用のためには、リユースよりもお客様と一緒に取り組む資源循環が有効な手段と考え、ペットボトルについては店内回収機を約4000店に設置し、ボトルtoボトルのサーキュラーエコノミーを進めている。また、容器トレイについても横浜市内の一部の店舗で資源循環のテストを実施中」だとする。
リユースよりもリサイクルなどの資源循環が有効な手段と考える理由については、「リユースはプラスチック削減には有効な手段ではあるが、お客様に安全・安心にご利用いただくためには、リユースカップの提供、回収・洗浄、それに伴う衛生面の担保など、課題も多いと認識している」(セブン&アイ・ホールディングスの広報担当者)。
この点では、グリーンピース・ジャパンの主張とは大きく異なっている。
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