起業したい会社員に「アイデア不要」と伝える理由 起業の正攻法は「すでに自分ができていること」

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中には画期的なアイデアがあるかもしれない。しかし、「自分の強みが分からない」「保有しているリソースの洗い出しもしていない」「マーケティングのことを何も知らない」「インフルエンサーほど知名度があるわけでもない」。そんな人が考えた儲け話がうまくいく可能性はどれくらいのものでしょうか。

起業の正攻法は「すでに自分ができていること」を知ること

以前、このような方がいらっしゃいました。自分が考えた便利グッズを商品化したいと考えていたYさん。彼女は自前のネットショップで販売するのではなく、大手メーカーで製造&流通をしてもらうことを想定していました。つまり、商品を売るのではなく、企画開発自体をサービスとして提供する構想を持っていたのです。

しかし、実際にオリジナル商品のアイデアを手紙で書いて企業に持ち込んでみると、どこも丁寧に返事はくれるものの、それ以上の話には進展しませんでした。ほぼ門前払いのような状態です。これは当然の結果だったと思います。

手紙を送ったYさんの行動力は素晴らしいですが、業界知識も商品企画開発の経験もなく、その企業が持つリソース(生産設備や人員など)についても理解しておらず、金型や資材調達のコストについても考慮していなかったのです。

また、流通についても何も知らない状態でした。市場調査を行ったわけでもなく、自分が欲しいグッズの案をただ送りつけただけの状況だったのです。実際、Yさんはそのアイデアを発明品コンテストにも出しましたが、採用されることはありませんでした。返事をもらえただけでもラッキーだったと思います。

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