ふだんの「歩く」を関節痛対策に変える2つの方法 「痛くない、よく動く、長持ちする」関節を目指す

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ドローインをすると、体の深い部分で積み木のように積み上がっている背骨1つひとつを連結させる「椎間関節」などを安定させるインナーマッスルが鍛えられます。下半身と上半身をつなぐ腰の痛みには、このインナーマッスルが鍵になります。

この方法を覚えると、ギックリ腰の予防にもなります。重い物を持ち上げるときなどにはギックリ腰になりやすいので、必ずドローインしてください。また、「ちょっと腰がしんどい」と思うのは、腰に負担がかかっているときなので、しんどさを自覚したときに特にドローインを意識するといいでしょう。

ドローインは「体幹の安定」にも良い影響が

おまけにドローインをすると、腰の痛みだけでなく、体幹が安定することで下半身も安定して、ひざ、股関節にも良い影響が出ると考えられます。「おなか凹ませ歩き」は、ドローインをしながら歩くだけです。おなかを強く凹ませれば負荷が強くなり、軽く凹ませれば負荷は弱くなります。

(出所:『ひざ痛と股関節痛 自力でできるリセット法』より)

もしも歩きながらおなかを凹ませるのが難しいように感じたら、歩かずに立ったまま、おなかを凹ませた状態で普通に呼吸してみてください。

『ひざ痛と股関節痛 自力でできるリセット法』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

これができたら、その状態を維持しながら歩きます。全力でおなかをぎゅっと凹ませたままで50歩歩き、その後は軽くおなかを凹ませたまま歩きましょう。

苦しくない程度におなかを凹ませること。健康診断で腹囲を測るときに、ちょっと見栄を張っておなかを凹ませる感じです。息を吐くときも吸うときも凹ませっぱなしです。

強くドローインしているときは腹圧を安定してかけ続けるために、呼吸は必然的に胸式呼吸(吸う息に重点を置き、肋骨を広げて胸に空気を取り入れる呼吸)になりますが、胸式か腹式かは気にしなくてかまいません。呼吸が止まらないように、しっかり呼吸することが最も大切です。

呼吸が浅くなりがちなので、いつもの呼吸を意識してください。腰は丸めず、反らさず、真っすぐに。ちょうどいい負荷を探りながら歩いてみてください。

歌島 大輔 日本整形外科学会認定スポーツ医

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うたしま だいすけ / Daisuke Utashima

日本整形外科学会・日本専門医機構認定整形外科専門医。日本整形外科学会認定スポーツ医。1981年生まれ。山形大学医学部卒業後、フリーランス整形外科医として磨き上げ続ける知見とスキルを駆使して、複数の病院で日本全国から来院する肩痛患者の診療を行う。とくに肩関節鏡手術数においては年間約400件と全国トップクラス。 日々の診療・手術のかたわら、YouTube(チャンネル登録者20万人)やSNSでの健康情報発信やオンライン講座なども積極的に展開している。専門領域は、肩関節、肩関節鏡手術、スポーツ医学。

YouTubeチャンネル「すごいエビデンス治療/整形外科医 歌島大輔」
https://www.youtube.com/@d.utashima

歌島大輔公式サイト
https://utashima.com

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