就活時期「再見直し」議論で見落とされる本質

経団連会長の発言は大義名分に反しないか

今回、大手企業は8月1日以降に選考や内定出しをする姿勢を見せたが、「面談」というグレーなアプローチを行った事例は多数見受けられた。無理もない。企業にとって、人材の獲得は将来のための生命線なのだ。単に、ルールを破った、守らなかったという批判をしたくなるが、企業は革命を起こしたとも言えないか。そうはいっても人材獲得は切実なのだ、と。早く内定を出した方が学生生活が充実するのではないか、とも。

「勉強するかしないか」は、就活が早いか遅いかだけでは決まらない。そして、中堅・中小の内定を早くに採ったがゆえに、大手の選考が終わるまで、いったん待たなければならなかった学生がいて、結局、就活は長期化した。早めに内定を出して、勉強に留学に学生生活を謳歌してもらうという世界観だってあるのだろう。

「自由応募」にも見直しの余地がある

そして、決まらない学生は長期化するという話になるが、これは自由応募というやり方が悪いのであって、大学と企業の連動強化、新卒紹介の仕組みの拡充などで対応できないかとも考える。

数年以内に就活は大学3年の2月に広報活動スタート、同5月に選考スタートとなるのではないかと私はみている。これなら大学の講義とあまり重ならないし、早く終わるからだ。業界企業研究はインターンとキャリア教育寄りのセミナーで行う。そして、決まらなかった人は斡旋の仕組みで就職をする、と。

留学も3年生ではなく、2年生に行くということが今後増えると私は見ている。というのも、単に就活にぶつからないだけでなく、早めに刺激、ショックを受けて、その後の学業をどうするべきか、キャリアをどうするべきか考える機会になるからだ。

私の勤務先である千葉商科大学国際教養学部は、留学がマストだ。時期は大学2年生の後半に行くことになっている。検討に検討を重ねた結果、早めに行ったほうがその後、学びたいテーマも明確になるからだ。再度、留学することだって可能になるからだ。4年生は早めに就活を終え、学業と学生でしかできない活動に没頭する。そんな世界観も否定してはいけないのではないか。

オリンピックの件もそうだし、大学関連でいうならば文系学部見直し論などもそうなのだが、就活時期繰り下げをめぐるさまざまな問題が、「タテマエ(建前)」「キレイゴト(綺麗事)」「無責任」で論じると危ないことになる、ということを図らずも露呈したといえるだろう。

繰り下げをすれば、学業も留学も促進させるというのは、綺麗事であり、思い込みだった。

「思い込む」ということは何よりも「恐ろしい」事だ・・・(ジョジョの奇妙な冒険第四部ダイヤモンドは砕けないの吉良吉影風に読むこと)。

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