こうした中、2013年時点でトヨタが描いたi-ROAD普及に向けた将来図は、大幅に修正する必要が出てきたと言わざるを得ない。
ただし、ヨーロッパではカテゴリーL5のシトロエン「AMI」が一定数、普及しているなど、コロナ禍前後でのライフスタイルの変化を背景とした、短距離移動型モビリティの新しい方向性が見えてきた印象もある。
こうした領域において重要なのは、ハードウェアの性能だけではなく、人と社会とのつながりの中で「新しいサービス価値をどう生み出すのか」という点だ。
単なる車両シェアリングや、搭載バッテリーのシェアリングといった観点だけではなく、近年自動車メーカー各社が将来構想のひとつとして打ち出すことも多い「異業種パートナーとの多様な連携」が、リーン3の普及には必須であると筆者は考える。
苦節10年の果実は実るか
リーンモビリティとしては、B2B(民間事業者向け)やB2G(行政向け)を含めた多様なパートナー連携を模索しているというが、これらがどのように具体化していくのか。
同社によれば2024年10月時点で、新規調達分を含めて累計10億台湾ドル(円換算で約46億円)の資金調達を実現している。こうした資金をいかに有効活用して新たな社会サービスを実現するのか、その行方を今後もフォローアップしていきたい。
ひとまずは、リーン3の日本での発売告知を心待ちにしよう。苦節10年を経て完成されたリーン3の、ハードウェアとしてのクオリティは確かだ。価格やサービス次第では、ある程度の普及もありうるだろう。
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