中国政府が、官製業界再編と補助金テコにGPSや環境などの産業を育成へ


 (2)種子 種子の生産販売を手掛ける中国企業は約8700社に上るが、多くが研究開発機能を持たず、普通の種子を遺伝子組み換え種子と偽るなどの悪質企業も少なくない。農業部では、国内企業は経営の大規模化と継続的な研究開発投資が不可欠と見て、政府主導で業界再編を進める方針を明確化。11年9月には「国家種子管理局」を新設した。水稲やトウモロコシを手掛ける企業には最低資本金の基準を引き上げるなど、事実上、弱小企業に業界からの退出を促す制度を導入した。この制度を同局が強力に監督・指導し、米モンサントなど世界大手に伍する国内有力企業の育成を目指す。

(3)環境保護と汚染防止 深刻な環境汚染が後を絶たない中、環境産業の育成は社会問題としても急務だ。国務院(内閣に相当)は12月、15年までの環境計画を発表。発電所に脱硫装置導入を奨励する補助金を創設するなど、装置メーカーや関連サービス業の市場拡大につなげる狙いだ。中国はこれまでも、自動車や家電産業で巨額の補助金給付など振興策を導入してきたが、業界企業が国際競争力を獲得できたとは言いがたい。自由経済圏では資本市場が企業と産業の新陳代謝を促している中で、依然、計画経済型の中国がどのように産業育成を実現できるか、政策手腕が問われるのはこれからだ。

(Wind資訊(中国・上海の金融経済情報会社) =週刊東洋経済2012年1月7日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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