「体重が20kg増加」兒玉遥さん、うつの過酷な体験 「アイドルの重圧が⋯」華やかな世界の裏側で

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昨今、精神面での不調を理由に、アイドルが活動休止するケースも目立つ。アイドルとうつ病、いずれも経験した兒玉さんは「アイドルは特殊な仕事」と達観する。

「14歳でアイドルになった私のように、社会人経験もなく、大人の世界に飛び込むと大きなプレッシャーもかかると思うんです。握手会の売り上げやSNSのフォロワー数に基準はなく、数字を周囲と比較される環境ならではの負荷もあって。本来は『元気にそこへ立っているだけで、人を笑顔にできる仕事』のはずなのに、私は、それすらも気づけなかったです」

うつ病を明かした今「しっかり歩いてこられた」

2019年6月のグループ卒業後、22歳で女優へと転身した。理由は「自己表現が好き」という思いが残っていたからだ。

事務所移籍の話も受けて「道は絶たれていない」として、再スタートを決断。今や、晴れやかな表情で「うつ病を明かせるようになり、しっかり歩いてこられた自信も湧きました」と語る。

うつ病だった自分を「認められるようになったから公表できた」と吐露(撮影:今井康一)

理想が高すぎるあまり、自分を追い詰めてしまった経験も糧に。

今は「目標を達成できるかに縛られず、毎日の過程を楽しむほうが幸せ」とほほえむ。

再び、笑顔を浮かべられるようになった背景には、家族の存在も大きかった。うつ病で苦しんでいた当時、常に明るく振る舞っていた母は「泣いている私を見て、そっとしておいてくれた」とも。

自身の経験をたよりに、最後、兒玉さんはうつ病の当事者や見守る家族へのメッセージを残してくれた。

「うつ病にかかった本人はもちろん、寄り添っている方々もきっと辛いと思うんです。元気だった方がある日、急に無気力で何もできなくなってしまったら、心配になるのも当然ですし。でも、苦しんでいる本人は過度に気をつかわれると『迷惑をかけている』と思って、より自信を失ってしまいますし、いつもと変わらずにそっと、自然に接してもらえたらと思います」

*この記事の前半:朝ドラ女優・兒玉遥さん、うつのどん底で見た景色

カネコ シュウヘイ 編集者・ライター

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Shuhei Kaneko

1983年11月8日生まれ。埼玉県出身。編集者・ライター。成城大学文芸学部卒。20代後半に自動車系雑誌の編集プロダクションから独立。以降、フリーランスとして活動を続ける。ライブへ月4〜5回通うほど根っからのアイドル好きが講じて、2014年頃からはエンターテインメント分野を中心に、取材・執筆へ尽力する。雑誌、Web、書籍と媒体は問わず。ブックライターも担う。

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