21歳となって、もう何もかも限界だった。
そんな兒玉さんに対して、スタッフは「ゆっくり休んで。はるっぴ(兒玉さんの愛称)が戻りたいタイミングで、声をかけてくれればいいから」と提案。その心意気には「優しさ」を感じたという。
田舎町で「縛られた小さな世界」から離れて
2017年12月からの、再びの休養はドクターストップによる初めての休養とは違った。「自信がなく、仕事も続けられないと自分で認めた上での決断だったので、とことん休めました」と兒玉さんは笑う。
ごく普通の「健康的な生活」を送るために、兒玉さんは地元の福岡県から離れて、宮崎県の田舎町にある祖母の自宅へと身を寄せた。
「町で暮らす人たちにはそれぞれの生活があり、みんな、精一杯生きていると知ったら『案外、他人は自分を気にしていない』とわかったんです。人気が数字で評価される世界で必死に生きようとしていたけど、違う価値観にふれたら、気分もラクになって。活力が湧いてきたので、運転免許や資格をとりました」
アイドルの世界は一見、華やかに見える。しかし、物事には光と陰があるのも真理だ。14歳から駆け抜けてきた世界から一時的に離れた兒玉さんは「縛られた価値観の小さな世界で生きていた」と悟った。
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