「体重が20kg増加」兒玉遥さん、うつの過酷な体験 「アイドルの重圧が⋯」華やかな世界の裏側で

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20歳で訪れた、ドクターストップによる約2カ月の休養期間。自身が抱える心の問題でありながら「自分でも状況がよく理解できていなかった」という。

「いつになったら復帰できるのかと考えてばかりで、焦っていました。そのせいか、夜も寝付けずにうまく休めなかったなって。横になっても『明日が来るのが怖い』と思い、生きているのに『なんだろう、この毎日は……』と、むなしさしかなかったです」

当時は、人生の「ゲームオーバー感」がひとしおだったとも。

1日でも早く復帰しなければ「自分の居場所がなくなってしまう」と焦った兒玉さんは休養からわずか2カ月、2017年4月には活動を再開する。

しかし、心が不安定なままでの復帰で、無理がたたった。

唯一心が解放された食事で体重「20キロ」増

アイドルのステージに復帰しても「社会で生きていく自信」を失ったままだった。眠れぬ夜は続き、満足に頭も体も働かない状態では、自分のパフォーマンスにも納得できない。

毎日「涙が溢れてくるし、苦しいし、仕事には行きたくないし……」と葛藤を抱えたままの活動で、兒玉さんは絶望を噛み締めていた。

当時は「生きているけど、なんだこの毎日は」と思ってばかりだったという(撮影:今井康一)

苦しさを抱えたままの日々で唯一、幸せを感じられたのが食事だった。

しかし、1キロもある大容量のクリームチーズにハチミツを大量にかけていっきに食べるなど、食生活は荒れるばかり。

約半年で、体重が「20キロ」も増えた。

「ビジュアルへのコンプレックスがあったので、痩せたいとは思っていました。でも、歯止めがきかなかったんです。うつ病だったのに、ご飯のおいしさは感じられて。おいしいものを食べているときだけは、心が解放されていました」

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