緻密なマシンが「コーヒーの味わい」を変える 米国生まれのシンプルな抽出機の実力とは?
社内でも、「最後発で無名な会社が打って出るのは、難しいのでは?」などの反対意見もあったという。とはいっても、海外を含めた新規カフェチェーンの参入を始め、小さな変革は続いている。一般消費者の、コーヒーへの関心も高まっており、決してタイミングを逸した参入とは言えないだろう。
また日本での順調なスタートを予測させる要素がもうひとつある。「無印良品」の良品計画が展開するカフェ、「Café&meal MUJI」がいち早く同マシンに着目し、一部店舗に先行導入していることだ。
「当社での取り扱いが決まってすぐに、興味があるということでMUJIさんから連絡がありました」(三觜さん)というから、ブロッサム・ワンの注目度の高さが窺える。
Café&meal MUJIの一部店舗で先行導入
Café&meal MUJIは“素の食はおいしい”をコンセプトに、化学調味料は最小限に抑え、保存料を使用しないという方針で、商品を提供している。
「やはり、ブロッサム・ワンでは抽出に約1分要しますから、ファーストフード店では難しいですね。個人店や、チェーンでもある程度、こだわりのあるカフェで、お客様もゆっくり味を楽しみながら、というスタイルの店に導入頂きたいと思っています」(三觜さん)。
1杯ずつ淹れるタイプのマシンだけに、多少、お客を待たせることになる。客足の多い店の場合、できれば2台か3台設置するのが望ましいそうだ。
価格を聞くと、1台98万円(定価)となかなかのお値段。だが、「業務用機器は100万〜140万円が普通です。小さなカフェで家庭用の10万〜20万円のものを使っているところもあるかもしれませんが、やはり耐久性の点で業務用には向きません」(三觜さん)。
先行導入しているのは、博多、大阪、京都、そして東京では、二子玉川だ。これに加えて、巣鴨、南青山にも近々導入の予定だという。幅18.4×奥行き61.7(レバーを下げた時)×高さ83.2cmというコンパクトさも、ブロッサム・ワンの売りだそうだが、新たに導入するとなれば設置スペースを確保する必要がある。そのため、Café&meal MUJIでは店舗リニューアルのタイミングで導入していることが多いようだ。
同店では、ブロッサム・ワンで淹れたコーヒーを「シングルオリジンコーヒー」として販売。現時点では3種類を提供しているようだ。コーヒーの価格は豆によって異なる。たとえばバナナやバニラなどの甘い香りではちみつとレモンの風味を楽しめる「グアテマラ サン・セバスティアン農園ブルボン・ナチュラル」は税込み600円。通常のブレンドコーヒーはMサイズ350円なので、倍近い価格ということになる。ただ、ほかの2品は「コロンビア フェダール・ヴェルテ」(420円)、「ペルー ラグリマ・デ・アンデス」(480円)と喫茶店のコーヒー並みだ。
マシンそのものの実力に加えて、製造体制、販売ルート、仕入れ先も含めて万全の体制を整えたツカサ電工。異業種からの参入と侮れないパフォーマンスを見せてくれそうだ。
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