緻密なマシンが「コーヒーの味わい」を変える 米国生まれのシンプルな抽出機の実力とは?
豆の種類やローストの加減によって最適な温度は異なり、ベストなものに近い温度で淹れたほうがコーヒーの味をよく引き出すことができる。とはいえ、その加減はなかなか難しい。豆にお湯を注いでいる段階で、お湯の温度がどんどん冷めてしまうからだ。
そこで着目したのが、抽出時の豆の温度だ。お湯を温めるボイラー、豆の抽出ユニットの2段階で温度をコントロールし、抽出している間中、豆を最適な温度に保ち続けることができる。これが、マシンの最大の特徴だ。温度設定は55℃から95℃まで、0.5℃刻みで自在に変えられる。コーヒーだけならここまで設定温度の幅を持たせる必要はないが、緑茶や紅茶への対応が考慮されているらしい。
誰でも簡単においしいコーヒーが淹れられる
「最適な温度にセットしてしまえば、アルバイトの人が操作しても、プロの味を安定的に再現できる。メーカーの目から見ても、この点が最も大きい強みだと思います」と話すのは、ツカサ電工・営業企画部の三觜晃弘さんだ。
実際には、全自動というわけではない。豆の量やかき混ぜるタイミング、水の量の加減、プレスなど、人が操作する部分も多くある。とはいえ、最大のポイントである温度管理をマシンが行ってくれるので、誰でも、簡単においしいコーヒーが淹れられるというわけだ。
マシンを開発したのはジェレミー・クエンペルさん、マット・ウォリサーさんという2人のエンジニア。クエンペルさんはマサチューセッツ工科大学の卒業論文で「コーヒーメーカー」論を展開したコーヒーマニア。NASAのエイムズ研究センターで火星探知機の開発に関わっていたウォリサーさんとの出会いにより、2012年の1月に新しいコーヒーメーカーの開発を行う「ブロッサム・コーヒー」を立ち上げたという。
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