緻密なマシンが「コーヒーの味わい」を変える 米国生まれのシンプルな抽出機の実力とは?

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マシンを開発したジェレミー・クエンペルさん

小さなベンチャー企業ではあるが、本国ではすでに全国展開を行っている。フランスのトップエスプレッソマシンメーカーの現地子会社、ユニックUSAと手を結んでいるためだ。日本でもユニック・ジャパンが代理店としてマシンの販売と保守業務を行う。

しかしなぜ、モーターの会社であるツカサ電工が、コーヒーマシンの製造・販売を行うことになったのだろうか。三觜さんに経緯を聞いた。

「当社は実は、モーターの応用製品として業務用コーヒーミルの製造販売もやっています。大手自販機メーカーさんに製品を収めているという実績があります。そして昨今、コーヒー業界で新しい変化の波が来ています。これを機に、新しい事業の柱としてコーヒーマシンにチャレンジしてみようということになりました」

もうひとつ、高橋博之代表取締役が無類のコーヒー好きということも背景にあったようだ。直接のきっかけとなったのは、スペシャルティコーヒーの展示会、SCAJ2013で、社長がブロッサム・コーヒーの展示ブースを見かけたことだった。「小さなブースではありましたが、『これは日本で受けるに違いない』と、直感したようです」(三觜さん)。

SCAJとは、日本スペシャルティコーヒー協会が主催する展示会で、今年で12年目を迎える。国内外の関連企業約100社が出展するほか、バリスタやロースターのコンテストなども行われる。ちなみに今年の開催は東京ビッグサイトにて、9月30日〜10月2日の3日間だ。アメリカで開催されているSCAAが本家で、三觜さんによるとブロッサム・ワンはその原型モデル時代から、SCAAで紹介されていたそうだ。

イベント後すぐに顔合わせ

シンプルで美しいデザインの「ブロッサム・ワン・ブルワー」

2013年の9月末に行われたSCAJでブロッサム・ワンに着目したツカサ電工。その年の12月にはアメリカのブロッサム・コーヒーと顔合わせを行い、翌2014年7月にはツカサ電工がブロッサムのマシンの製造権と日本における販売権を得る、という契約に調印した。ツカサ電工の、コーヒーマシンにかける本気度が伝わってくるエピソードだ。

ただ、「昨年スタートできていれば」というのが三觜さんの心残り。「2013年にセブンイレブンさんの100円ドリップコーヒーが始まったことから始まり、2014年にはブルーボトルコーヒーの上陸がありました。できたら、もっともコーヒーの話題が盛り上がった昨年に出しておきたかったですね」(三觜さん)。

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