あのヨーグレットが気づけば「グミ化」一体なぜ 多くの大人が「懐かしい!」長年の課題を攻略へ
偶然の産物だが、子供にとっては、「大人になったような感覚」のある独自の食体験としてウケたのだ。これは他メーカーの製品だが、「タバコを吸う真似をする」シガレット型の菓子が流行したのと同じような原理かもしれない。
ありそうでなかった「もちっと」を目指して
話をグミに戻そう。40年間愛された味の継承と、新たな顧客層拡大という重責を担ってはじまったグミの開発。競合製品を徹底的に分析し、そこに勝つために最もこだわったのは「硬さ」だ。
「やわらかいと味がぱっと広がりやすいのですが、グミユーザーが求めている弾力感が実現しにくくなります。もちっとした弾力があるけど歯切れがよく、タブレットと同様、噛むと味がふわっと広がる硬さを目指しました」(高宮さん)
というのも、実は高宮さんの中には日頃から、「世の中には『もちっと』を謳っている商品は多いけれど、本当にあれはもちっとしているのか?」という疑問があったそうだ。「もちっと」を想像したときに、「これだ」と実感してもらえる食感がもっとあるのでは……と物足りなさを感じていたのだ。
そこで「もちっと」をとことん追い求め、製造できるギリギリ、「これ以上やわらかくしたら製品規制上、問題が起きかねない」という地点まで、数十回試作を繰り返したという。
筆者も味わってみたが、ぷよんとやわらかで、しっかり噛まないと切れない歯応え。たしかに「もちっと」を連想した。ほかの消費者の反応が気になるところだが、取材時はまだ発売から1カ月。このもちっと感が正解だったのかは、これから市場が判断するところだろう。
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