あのヨーグレットが気づけば「グミ化」一体なぜ 多くの大人が「懐かしい!」長年の課題を攻略へ
グミの発売、そしてリニューアルの背景には、「購入時期に間が空いてしまう」問題があったという。M&Aのタイミングで丸紅から出向し、社長に就任した山下奉丈さんは、次のように語る。
「消費者にヨーグレットとハイレモンを見せると、第一声に『懐かしい』と言われてしまうことが多いんです。認知されていることはポジティブですが、裏を返すと、『今は食べていない』ということですよね」
遠足のお菓子として定番の地位を築いてきたものの、成長した子供たちの記憶に「懐かしい」と残るだけの存在になってしまっていたのだ。少なくとも、自分に子供が生まれるまでは。
そんな状況を打開するために同社は、「そもそもいつから親はヨーグレットを子供に与えるのか」「何歳頃から離れてしまうのか」などについての消費者の声を集め、分析しながら販売数拡大の戦略を練っている。
ひょっとして「売り場」に原因が…?
そこで、仮説として見えてきた「購入時期に間が空いてしまう」理由の1つは、売り場の位置付けだ。
ヨーグレット、ハイレモンは「駄菓子」と言われる安価なお菓子の棚に置かれていることが多い。その棚に来るのは、幼児か小学生とその両親、祖父母が中心だ。
それ以外の層が「自分の消費のために」訪れることは比較的少ない。このため自然と目にする機会が減り、手に取らなくなってしまうのだ。
大人もよく利用する、いわゆる袋菓子や箱菓子などの棚か、その近くにあれば、空白期間は空かないのかもしれない。ヨーグレットやハイレモンの味わいは、甘さ控えめで適度に酸味もあり、大人にも十分通用するからだ。そこから言えば、現在人口のボリュームゾーンである高齢者にも、十分選ばれる可能性がある。
山下社長も、「少子高齢化が進む今、シニア層の攻略は大きな目標です。ヨーグレットの誕生は1979年で、ハイレモンはその翌年です。幼い頃食べた方々が、今から高齢層に入っていきますから、選択肢に加わるのではないかと考えています。『昔食べたよね』という記憶が存在することが、1つの武器になるのではないでしょうか」と期待を寄せる。
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