あのヨーグレットが気づけば「グミ化」一体なぜ 多くの大人が「懐かしい!」長年の課題を攻略へ
ただし、競争の激しいお菓子の棚を移動することは、一朝一夕にできることではない。そこで、「大人にとっても自分のためのお菓子としてのブランド認知を高め、消費者を拡大しよう」という作戦の1つがグミだったのだ。
市場動向とブランドの強みが重なった
では、なぜ「グミ」だったのか。ここからは、グミ版が生まれた経緯を追っていこう。前述した通り、大人が自分で購入するお菓子に変えるためには、売り場を変える必要がある。だが、現在の小箱入りスタイルでは「駄菓子」に選別され、他の売り場への進出が難しい。
「そこで、包装形態を変えたり、他のお菓子にして、ブランドイメージから変えていけばいいのでは? というアイデアが生まれました」
生産企画部長で、商品開発を統括する高宮隆一さんは、開発のきっかけをこのように振り返る。
また、この「他のお菓子」が他でもないグミになったのには、菓子の市場動向が大きく関係していた。前述した通り、グミはこの10年で2倍に成長している注目の市場である。
産業分野における市場調査レポートを提供するSurveyReports社の調査によると、2023年の世界のグミ市場規模は242億米ドル(約3兆6300億円)だ。さらに、2033年末までに567億米ドル(約8兆5050億円)まで拡大すると予測されている。年平均成長率(CAGR)に換算すると、約8.9%もの高成長が見込まれているのだ。
POSデータから菓子カテゴリーごとの購入者特性を分析した結果でも、グミ購入者は20~30代の構成比が高いことがわかった。加えて、ヨーグレット、ハイレモンの味を「最も再現できるお菓子」を考えた際に、「グミが適任ではないか」という意見も上がったという。
これらの要因を総合して、ヨーグレットグミのブランド強化を意図したリニューアル方針が決まったのだ。
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