「青かった街が赤に」激戦州"トランプ化"のリアル 盛り上がっていたハリス陣営は次第に意気消沈

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実は5日午前、私は話題のペンシルベニア州にあるレビットタウンにいた。リベラル派市民が圧倒的に多い大都市フィラデルフィアから東北に32キロの郊外の街だ。

都会に近いため、歴史的に民主党が勝利していた街だが、地元紙が「レビットタウンがホワイトハウス行きを決めるかも」という記事を出した。街をくまなく歩いた記者によると、かつてないほど住宅地でトランプの立て看板を見るようになったという。つまり、トランプ派が目立って増えてきたことを示す。

「トランプは減税、ハリスは増税」という趣旨の看板(写真:筆者撮影)

「ハリスが勝ったら、この世の終わり」

レビットタウン駅からUberに乗り、運転手のハリー氏に「投票に行った?トランプの看板があるね」と聞くと、「ハリスが勝ったら、この世の終わりだ」と即答してきた。

ショッピングモールで話しかけたポーラさんの一言目はこれだった。

「今朝投票したけど、国境がオープン(で不法移民が流入してくる)という問題が心配で、特にこれはこの地域で、3人のティーンエイジャーが行方不明になっているのに関係しているからなの。3人とも14歳の“アメリカ人”で、人身売買の疑いがあるの」

明らかに彼女はトランプ派だ。トランプ氏は「不法移民は、犯罪人だ。テロリストになって通りを闊歩している」という誤情報を繰り返し、移民政策への差別主義を煽ってきた。

投票所となっていたミル・クリーク小学校には、ひっきりなしに市民が入ってくるが、止まっていたバイクにトランプのステッカーがベタベタと張られており、トランプの立て看板がハリスの10倍ほどあった。

同校教頭のクリス・ショトル氏は、トランプ氏に投票したという。

「2人の悪者のうち、悪さが小さい方を選ぶという感じだね。トランプの発言は、正直というか、歯に衣着せぬものだ。ハリスは、バイデンの陰で、彼女が背負うものに対して準備ができていない。彼女は未知数なのに比べて、トランプがどんな人物なのか、少なくとも私たちは知っている」

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