108歳女性がずっと大切にしてきた「3つの心がけ」 誰とも争わなかったから平和な暮らしがある
そうすると、やがてその方は埼玉に引っ越して、そこで病気になって亡くなったそうです。「人を妬んで、争いを仕掛けた結果」ではないかな、と思いました。わたしにだけでなく、何ごとにもそのような生き方をしていたんじゃないでしょうか。
「ひるまず・うらやましがらず・あらそわず」
ですから、わたしも息子が小学生になる頃から、2人の子どもに「三ず」を言い聞かせるようになりました。わたしの「三ず」は「ひるまず・うらやましがらず・あらそわず」。母のと少し違いますね。
「ひるまず」は、わたしの経験から「勇気を持つことが道を切り拓く」と思ったからです。右も左もわからない東京へとひとりで上京するのも、修業も、お店を替わるのも、結婚も、勇気を振りしぼって行動しました。子どもたちにも、何ごとにも勇気を持って、前向きに挑戦できる人になってほしかったんです。
「うらやましがらず」は、自分で努力して、自分だけができることを身につけてほしいという気持ちから。世の中にはいろいろな人がいますからね。いいものを持っている人、自分ができないことをやれる人……。いちいちうらやましがっていても卑屈になるだけで、何も始まりませんのでね。
「あらそわず」は、友だちとけんかをしないでほしかったからです。うちは客商売の理髪店ですから、「お客さんあっての我が家」ですし、争ってわだかまりを残すことほど馬鹿馬鹿しいことはありません。今、わたしが平和に暮らしていられるのは、誰とも争わなかったからですし、仕掛けられてそれに乗ってしまえば、お互いが傷つくだけとなってしまいますしね。
とはいえ、言って聞かせるだけでは説得力がありませんから、わたし自身がそのように生きて、背中を見せなくてはなりません。そして「お母ちゃんのように生きていけばいいんだな」と、子どもにわかってもらうことが大事だと思っていました。
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